定数項を求めるために
二次方程式の定数項を求める問題の中でも、もっとも基本的な問題を扱います。
二次方程式の定数項の問題は公立高校入試でも出題頻度が高いので、必ず正答できるようにしておきたい問題の1つです。
そもそも定数項とは、
ある整式において文字を含まない項 のこと。
例えば整式 $3x^2+5x-4$ とあれば、定数項は$-4$です。
ただ問題によっては、本来文字を含まないはずの定数項が文字で与えられるものもあります。
そしてこのことが定数項の問題を難しく思わせてしまう原因。
次の問題で、二次方程式の定数項の問題の解き方を覚えてしまいましょう。
問題
二次方程式 $x^2+2x+a=2$ の1つの解が3である時、$a$の値ともう1つの解を求めよ。
【考え方】
$a$は定数項です。(定数項については補足2参照)
二次方程式は基本的に解($x$の値のこと)が2つあります。
この問題の場合、2つの解のうち1つが $x=3$ とわかっていて、残りのもう1つの解を求めたいということです。
ただ謎の文字 $a$ があるから二次方程式として解こうとしても解けない!! 困った。
$a$が無ければいいのに・・・。
ならば $a$ を無くしてしまえ!!
ということで
①$a$の値を求める
②求めた$a$を与式に代入し2次方程式を作る
③$x$の値を求める
の手順で解きます。
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【解答】
$x^2+2x+a=0$ に $x=3$ を代入して、
$3^2+2\times3+a=0$
$9+6+a=0$
$a=0-9-6$
$a=-15$
ここまでが手順①
ここで$a=-15$を与式に代入すると、
$x^2+2x-15=0$ となり、この2次方程式を解く。
ここまでが手順②
$(x+5)(x-3)=0$
よって$x=-5 x=3$
$x=3$は既にわかっている解なので、
求める $a$ と $x$の値は
$a=-15 x=-5$
【補足1】
この問題では$a$を求めることが指示されていますが、その指示がなく単に$x$だけを求めさせるタイプの問題、つまり
『2次方程式 $x^2+2x+a=2$ の1つの解が3である時もう1つの解を求めよ』
というように出題される場合もあります。
(むしろこのタイプを自力で解けるようになっておきたい)
この時も考え方は上記と同じ。
【補足2】
このページのタイトルに定数項とありますが、本問の場合、定数項は$a$です。
定数項とは「ある一定の値を取り続ける項」のことを指します。
すると次のような疑問を持った人もいると思います。
『文字には好き勝手に数値を当てはめて良いと教わった! $a$にはいろんな数値が考えられるから定数項ではないだろ!!』と。
そう、その疑問はごもっともです。確かに文字$a$にはいろいろと数値を当てはめて考えることができます。
でも本問の場合、問題文に「二次方程式」と書いてあります。
そして「二次」を表しているのは$x^2$の部分だけです。
なので「二次方程式」との文言と、$x^2$の記載がそろった時点で、$x$に関する二次方程式と解釈します。
「$x$について数値を変化させて考える式で、その他の文字は一定の数値、つまり定数とみなして考えれば良い」
ということになります。
ということで、一定の数値となる$a$の値を求めてね、ということになります。
二次方程式を解くときは$x$以外の文字があると解けないから、
文字が$x$だけになるように準備しよう。
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