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関数とは? 定数と変数の違い

ここでは「関数の意味」について、そして関数を考える時に絶対知っておかなければならない言葉「定数変数」について紹介します。

関数とは

中学数学を勉強するようになっ最初の大きな山となるのが「関数」です。
中学1年生の秋くらいに「比例」を勉強しますが、その前提になるのが「関数」の考え方です。

ではそもそも関数とは何か?
関数とは、

ある事柄をただ1つ定めると、それに伴いただ1つの結果が定まる関係

のことをいいます。

教科書などでは関数についてよく、自動販売機で例えて説明しています、こんな感じで。

自動販売機にお金を入れます。

ボタンを押しました。

ジュースが出てきました。

この関係が関数ですと。自動販売機はブラックボックスだからお金を変えるんだ、とかなんとか訳のわからないことを言い出したりして。

ただ、これで関数がわかる人はほとんどいません。だいたいブラックボックスって何よって話になって、関数以前のお話になってしまいます。
確かに関数の例えとしては上手いんですよ、自動販売機は。でも例えが上手くても肝心の、「関数とは何か」がわからなければ意味がない。
なのでなぜ自動販売機が関数なのかをもう少し詳しく説明して、別の例も扱いながら関数の基本を身につけていきます。

関数は1対1対応が前提

とても重要なことなので繰り返しますが、
ある事柄をただ1つ定めると、それに伴いただ1つの結果が定まる関係
が関数です。

この「ただ1つ定めると、それに伴いただ1つ結果が定まる」というところが超重要。
ここでは便宜的に1対1対応と表現しておきます。
もしある事柄を1つ定めた時に、それに伴い2つも3つも結果が生じるような1対2対応や1対3対応なら、それは関数ではありません。

今の状態を変えるのが関数の役割

学校の教科書や参考書ではこんな書き方はおそらくしていませんが、

関数には今ある状態を別の状態にする役割

があります。
今ある状態を別の状態にする。そのためには、途中で何らかの操作が必要になります。

冒頭の自動販売機の例では、
まずお金があります。そのお金がジュースに変わりました。
お金とジュースが1対1対応しています。
そのジュースに変わる途中の段階で、「自動販売機のボタンを押す」操作があります。
この「自動販売機のボタンを押す」操作が今ある状態を別の状態にする役割、つまり関数ということです。

自動販売機で今一つイメージがわかない人はアクションゲームで考えてみましょう。
ゲームではキャラクターを操作しますよね。
てくてく進んでいくと、途中で穴が出てきます。穴はジャンプで回避しないといけない。
その流れを関数で考えてみます。
1回ボタンを押すと1回ジャンプするゲームだと思ってください。

てくてく進んでいる(元の状態)
   ↓
1回ボタンを押した。
   ↓
コンピュータがボタン操作をキャラクターのジャンプに変換
   ↓
キャラクターが1回ジャンプした。(別の状態)

この場合ボタンを押すことで別の状態にする役割をしているので、コンピュータを関数とみなせます。

ボタンを押すこととジャンプで1対1対応しています。
2回ジャンプさせたければ2回ボタンを押せば良い。
3回ジャンプさせたければ3回ボタンを押せば良い。

ジャンプの回数=1回ジャンプさせる役割×ボタンを押す回数
なんて式もできます。

2回ジャンプ=1回ジャンプさせる役割×2回ボタンを押す
3回ジャンプ=1回ジャンプさせる役割×3回ボタンを押す
4回ジャンプ=1回ジャンプさせる役割×4回ボタンを押す
5回ジャンプ=1回ジャンプさせる役割×5回ボタンを押す
・・・
いちいち書くのが面倒なので、
1回ジャンプさせる役割を$a$
ジャンプの回数を$y$
ボタンを押す回数を$x$とします。
すると
$y=a\times$$x$
なんて式を作れる。

こう考えると立派な数学です。

このゲームの場合、同じボタンを1回押してジャンプ以外のことが起こったとしたら、それは関数ではなくなります。1対1対応にならなくなるからです。

(もっとも何が起きるかわからないプログラミングがされてたとしたら話は別ですが、それを考えたらややこしくなるだけなので、ここは単純に話を進めます)

見えるモノと見えないコト

ここまで関数を、自動販売機やゲームのように、実際に見ることができる「モノ」で例えました。
でも次のような疑問を持った人もいるかと思います。

「数学では実際に見ることができないコトを扱うじゃん。見ることができないコトをどうやって関数にするのか!?」と。

確かにモノを扱えばイラストなどで説明できますが、コトとなると見えないからイラストにできません。だってそうでしょ?
「1回ジャンプさせる役割をイラストにしろ」って言われても描きようがないです。
この見えないコトを間接的に見える様にしたものが「式」ということになります。

(もう少し正確にいうと比例定数とか変化の割合のことですが、とりあえず細かいことはここでは抜き)

関数を難しく感じてしまう原因の1つがまさにここにあります。

見えないコトを、式を使って間接的に見える化することで、コトと式の関係がわかりにくくなってしまう。

つまりコトをモノに変えていく過程が関数の勉強であって、裏を返せば、コトと式のつながりが解れば関数は難しくないといえそうですね。
そう考えると中学数学の関数は、見えないコトを見える化するためのトレーニングともいえそうです。

ここまでのまとめ

ここまでの内容をざっくりまとめると次のようになります。

  • 関数には今ある状態を別の状態にする役割がある
  • そのとき必ず1対1対応になる
  • 別の状態にする手段・方法が、自動販売機だったり、コンピュータだったり、数学の式だったりする
  • 数学の式は、見えないコトを間接的に見える化した道具といえる

別の状態にする手段や方法は世の中にたくさんあるけれど、数学の勉強をするんだから数学の式の形から別の状態にする手段を学んでいこう、というのが中学数学の関数です。

変数とは? 定数とは?

変数とは

適当に変化させて考える数

と覚えておきましょう。

つまり変数$x$といわれたら、
「$x$には適当に色々な数をあてはめる」ということになります。

上記のゲームの例だと、ボタンを押す回数はまさに変数です。
また、ボタンを押す回数に伴ってジャンプする回数も変わりますね。
なので、ジャンプする回数も変数ということになります。

でも「1回ジャンプさせる役割」は、1回ジャンプさせるという様に定まっています。変化しません。
このように、

一定の値を取り続けて変化させないで考える数のことを定数

といいます。

ゲームの所で
$y=a\times$$x$
の式を示しましたが、この場合
$x$と$y$は変数
$a$は定数 ということになります。

変数と定数はとても大事な用語なので、しっかり区別しておきましょう。

$y$は$x$の関数 とは?

教科書などでは

$y$は$x$の関数
$y$は$x$に比例する
$y$は$x$の一次関数

のような数学的な言いいます。
これをもう少し日常的な言い方に翻訳すると、

「$x$っていう文字には適当に好きな数を当てはめてね。するとそれに伴って$y$も変わっちゃうんだから。」

という意味になります。ここで意識してほしいのが

適当な数字を当てはめるメインは$x$

であるということ。
$x$にあれこれ適当に数字を当てはめて、それで$y$が変わっていく関係を考えていきます。

もちろん問題によっては$y$の変化をメインで考えるものもありますが、それは少しレベルの上がった問題になるので、関数の問題を解くときはとりあえず、$x$の変化を考えた上で$y$を考えていくと覚えておいてください。