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方程式の文章題 個数と代金

ここでは方程式の文章題として、もっとも基本となる個数と代金の問題の解き方・考え方を解説します。
方程式の文章題には、どの問題にも共通する文章題特有の解き方の流れがあります。
まずはそこを確認します。

方程式の文章題の解き方

方程式の文章題は次の手順で解いていきます。

  1. ふつう求めるものを$x$とする
  2. 数量関係に注意して方程式を作る
  3. 作った方程式を解く
  4. 求めた解が正しいか確かめる

この4つの流れをしっかりおさえてください。たった4つの手順だけですが、方程式の文章題を難しく感じてしまうのは①や②で迷うから。逆に言えば、式を作ってしまえばあとはそれほど難しくはありません。

ならば手順②までをどうやって乗り切るか?

これは問題のパターンをつかんでしまうのが一番早いです。
方程式の文章題はざっと「個数と代金」「速さ」「年齢」「分配」「過不足」「整数」「割合」のパターンに分けられます。
それぞれのパターンについて解き方を覚えていきますが、このページでは特に「個数と代金」について例題を使って解説します。

方程式の文章題 個数と代金

基本例題 鉛筆を 6 本とノートを 4 冊買ったときの代金の合計は900円でした。ノート 1 冊の値段は、鉛筆 1 本の値段より50円高いそうです。鉛筆 1 本とノート 1 冊の値段をそれぞれ求めなさい。

考え方 冒頭に挙げた「方程式の文章題を解く手順」に当てはめて考えます。
求めるものは鉛筆1本の値段とノート1冊の値段。ここでは鉛筆1本の値段を$x$とします。
この問題の様に、求めるものが2つある時はどちらかを$x$として考えていき、そのうえで数量関係に注意して方程式を作ります。
なお、「何を$x$とするのか」を必ず解答に一言加えるようにします。

個数と代金の問題では 
(代金)=(1個の値段)×(個数) の関係を当てはめます。

そしてこの例題では
(鉛筆の代金)+(ノートの代金)=(合計900円)
の関係を方程式にします。

解答 鉛筆1本の値段を$x$円とすると
鉛筆の代金は $6\times$$x$(円)となる。

←手順① 何を$x$とするのかを必ず説明する

ノートは鉛筆より50円高いので、ノート1冊は$(x+50)$円。
それを4冊買ったので、
ノートの代金は $4\times(x+50)$(円)となる。
これより代金の合計を方程式で表すと

←手順②

$6\times$$x$$+4\times(x+50)=900$

$6x+4(x+50)=900$

$6x+4x+200=900$

$6x+4x=900-200$

$10x=700$

$x=70$

よって、鉛筆1本70円 ノート1冊120円

←手順③

ここまでが手順③です。解答はここまで書ければ十分です。
ですが念のため、この関係が正しいかどうかを確認しておきます。(手順④)

$6\times70+4\times120$
$=420+480$
$=900$

確かに問題の条件に一致します。ということで、鉛筆1本70円 ノート1冊120円が正しいとわかりました。

もし負の数が出てきたら絶対おかしいですよね?
$-70$円ってどういうことだ!! ってなります。買うとお金をもらえるのかってツッコミも食らうでしょう。(それはそれで嬉しいですが・・・)
なので必ず答えの確認をしておきます。

この「個数と代金の問題」は、方程式の文章題の中では最も初歩的な問題です。なので文章題を苦手としている人はまず、この問題と解き方をセットで覚えてしまいましょう。

個数と代金の問題では
(代金)=(1個の値段)×(個数)
の関係に当てはめて方程式を作る

ところで上記の基本例題では「鉛筆1本の値段を$x$円」として進めました。
でもノート1冊の値段を文字であらわして方程式を作ることもできます。
ということで練習として、

基本例題´ 鉛筆を 6 本とノートを 4 冊買ったときの代金の合計は900円でした。ノート 1 冊の値段は、鉛筆 1 本の値段より50円高いそうです。ノート1冊の値段を$y$円として方程式を作り、鉛筆 1 本とノート 1 冊の値段をそれぞれ求めなさい。

どんな方程式になるかはこのページの最後で。

方程式の文章題を解くコツ

方程式の文章題を解くときには、ちょっとしたコツがあります。
そのコツとは、

問題文の句読点ごとに式を作る

ということ。
これはあくまでもコツなので、どの問題でも必ず上手くいくというわけではありません。
ですが、このことを常に意識していると、今後もっと複雑な方程式の文章題で方程式を作る時に、考え方の助けになるでしょう。

ノート1冊の値段を$y$円としたときの解答
ノート1冊の値段を$y$円とすると
ノートの代金は$4y$円。

鉛筆1本の値段はノート1冊の値段より50円安いので
鉛筆の代金は$6\times(y-50)$円。

代金の合計が900円だから
$4y+6\times(y-50)=900$
$4y+6(y-50)=900$
$4y+6y-300=900$
$4y+6y=900+300$
$10y=1200$
$y=120$
よって ノート1冊120円、鉛筆1本70円