4つの基本作図 垂直二等分線 垂線 角の二等分線
ここでは動画を中心に作図の基本を学びます。コンパスと定規を用意して動画を観ながら練習してください。
動画の中で何回か「コンパスの広さを変えない」との表記がありましたね。
ではどうして作図の際、コンパスの広さを変えてはいけないのか?
それを考えていきます。
作図中コンパスの広さを変えてはいけない理由
この動画で紹介している作図は中学1年で学ぶ事柄ですが、コンパスの広さを変えてはいけない理由の説明は、中学2年で学ぶ図形の知識が必要になります。
そのため中1の段階では参考程度に覚えておけば十分です。
で、その必要な図形の知識とは「ひし形」について。ということで、ひし形の性質について簡単に確認します。
ひし形の性質
ひし形とは4つの辺の長さが全て等しい四角形のことをいいます。
四角形なので対角線は2本引けますが、その2本はそれぞれ中点で交わります。
しかも必ず90°で対角線が交わります。
すると、ひし形の対角線を描けば垂直二等分線を描けるといえます。
ならばどうすればひし形を作図できるのか?
ということで円の性質も簡単に確認します。
円の性質
半径の等しい円を図のように重ねて描きます。
それぞれの円の中心をA、Bとし、円の交点をそれぞれC、Dとします。
AC、AD、BD、BCは円の半径なので全て等しい長さです。
垂直二等分線の作図はひし形と円の性質を使っている
ここまで説明すると、コンパスの広さを変えてはいけない理由も見えてくると思います。
垂直二等分線を描くためにひし形の対角線を描く。
だからひし形を描けばよい。
ひし形を描くために4辺の長さが等しい図が必要。
そこでコンパスを使って円を描く。コンパスの広さを変えてしまうとひし形を描けない。
と、こんな理由があるからコンパスの広さを変えずに作図を進めていくわけです。
単純に作図のしかたを暗記しようとするとどこかで忘れてしまい、作図が進まなくなってしまうものです。
でも図形の性質を知って理屈で考えると、作図は決して意味不明な操作をしているわけではないこともわかると思います。
作図の応用問題も、図形の性質を知っていればどのような手順で進めれば良いかも、自然とひらめいてくると思います。