中学数学の基礎をゼロから徹底理解。 定期テスト対策のためのサイト。 随時更新

反比例の導入と具体例

反比例とは

例えば100mの距離を進むのにかかる速さと時間の関係を考えてみます。
1分間に1mの速さで進むとしたら、100分かかります。
1分間に2mの速さで進むとしたら50分ですよね。
1分間に3mなら$\dfrac{100}{3}$分、4mなら25分・・・。

分速12345・・・10
時間10050$\dfrac{100}{3}$2520・・・10

表から、進む速さが2倍、3倍・・・となるにつれ、かかる時間は$\dfrac{1}{2}$、$\dfrac{1}{3}$・・・となっていることがわかります。

このように、一方の値が2倍、3倍・・・となると、それに伴いもう一方の値が$\dfrac{1}{2}$、$\dfrac{1}{3}$・・・となっている関係のことを反比例といいます。

この例の場合、時間は速さに反比例しています。

数学ではよく「$y$は$x$に反比例する」といういい方をするので覚えておきましょう。

反比例の式

反比例の式は$y=\dfrac{a}{x}$と表せます。このときの$a$のことを比例定数といいます。
上記の速さの例では、速さが$x$で時間が$y$です。
そして100mが$a$、つまり比例定数となります。
$y=\dfrac{100}{x}$

早速ですが問題を通して反比例を確認しましょう。

確認問題
次の中で反比例の関係にあるものを全て選びなさい。
(1)10mのロープを$x$等分するときの1本の長さ$ym$
(2)500ページある本を$x$ページ読んだときの残りのページ数$y$
(3)女子が$x$回化粧をしたときの男子に告白される回数$y$回
(4)面積が$30㎠$の長方形の縦の長さ$x㎝$と横の長さ$y㎝$の関係

考え方
$y=\dfrac{a}{x}$と表せるかどうかを判断していきます。

解答
(1) (4)

(1)1等分で10m 2等分で5m・・・5等分で2m 10等分で1mなので、$y=\dfrac{10}{x}$と表せます。

(2)$y=500-x$の関係があるので反比例ではありません。

(3)化粧をした回数と告白される回数には何も関係がありません。いや、多少は関係あるかもしれませんが、少なくとも反比例の関係はありません。化粧をすればするほど告白される回数が減るのなら化粧しない方が良いです。

(4)長方形の面積=縦の長さ$\times$横の長さ
ということは、
横の長さ=長方形の面積$\div$縦の長さ なので
$y=\dfrac{30}{x}$ となり反比例といえます。

$y$は$x$に反比例するとき
$y=\dfrac{a}{x}$ ($a$は比例定数)
という式で表せる

反比例の関係では必ず$y=\dfrac{a}{x}$の式が作れます。そして反比例の関係を考える時は$a$にはどんな値が当てはまるのかがとても重要になります。
次にこの比例定数$a$を求める練習をします。

反比例の基本問題

反比例がどんなものなのかがわかったところで、テストで絶対に正解できるようになっておきたい代表的な問題を確認します。

基本例題 次の問いに答えよ。
(1)$y$は$x$反比例し、$x=2$のとき$y=6$である。$y$を$x$の式で表せ。
(2)$y$は$x$反比例し、$x=3$のとき$y=-5$である。$y$を$x$の式で表せ。
(3)$y$は$x$反比例し、$x=-4$のとき$y=8$である。$y$を$x$の式で表せ。
(4)$y$は$x$反比例し、$x=-5$のとき$y=-2$である。$y$を$x$の式で表せ。

考え方 
この問題は反比例の問題を解くときの全ての基本になります。必ず正解できるように解き方の流れを覚えてしまいましょう。

「$y$は$x$反比例し」と問題文にあった時点で$y=\dfrac{a}{x}$と考え、「$y$を$x$の式で表せ」との設問には必ず$y=$~$x$の形で答える
   ↓
問題文に必ず条件が出ているので、$x$や$y$にそれぞれ数値を代入
   ↓
比例定数$a$を求める
   ↓
$y=\dfrac{a}{x}$の$a$に求めた比例定数をあてはめる

この手順で解きます。
要するに、比例定数を求めてそれをあてはめるだけです。

解答
(1)$y=\dfrac{a}{x}$とおく。
$x=2$、$y=6$ をそれぞれ代入すると
$6=\dfrac{a}{2}$
$12=a$
よって求める反比例の式は $y=\dfrac{12}{x}$ となる。

(2)$y=\dfrac{a}{x}$とおく。
$x=3$、$y=-5$ をそれぞれ代入すると
$-5=\dfrac{a}{3}$
$-15=a$
よって求める反比例の式は $y=-\dfrac{15}{x}$ となる。

(3)$y=\dfrac{a}{x}$とおく。
$x=-4$、$y=8$ をそれぞれ代入すると
$8=-\dfrac{a}{4}$
$32=-a$
$a=-32$
よって求める反比例の式は $y=-\dfrac{32}{x}$ となる。

(4)$y=\dfrac{a}{x}$とおく。
$x=-5$、$y=-2$ をそれぞれ代入すると
$-2=-\dfrac{a}{5}$
$-10=-a$
$a=10$
よって求める反比例の式は $y=\dfrac{10}{x}$ となる。

「$y$は$x$反比例し」と問題文にあった時点で$y=\dfrac{a}{x}$と考える

「$y$を$x$の式で表せ」との設問に対しては必ず$y=$~$x$の形で答える