花壇の面積と道幅
ここでは二次方程式の応用問題として有名な道幅問題を練習します。教科書や参考書などには必ず載っている道幅問題。解くにはちょっとした工夫が必要になります。その工夫をしっかり理解しましょう。
問題
横が縦より10m長い長方形の土地に、図のようにそれぞれ幅1mのまっすぐな通路を作り、残りの土地を花壇にする。花壇の面積が126m$^2$になるとき、この長方形の土地の縦の長さを求めよ。
【考え方】
求めるものは「長方形の土地の縦の長さ」なので、長方形の土地の縦の長さを$x$とします。
また、花壇の面積について手がかりがあるので、花壇の面積を求める方程式を作ります。
ところで図をそのまま考えると、花壇は4か所あります。単純に考えると、①~④それぞれの花壇の面積を求めてそれらを合計したものが126となるように方程式を作れば良さそうです。
つまり
①+②+③+④=126
すると①の面積はどう表せば良いか?
①は長方形になりますが、その縦と横はどう表せば良いか?
と、ここで詰まってしまい方程式を作れません。
なので別の方法で解くしかありません。
問題文にある数値だけではどうにもならないので、少し図を変えてみました。それが図2です。
といっても通路の場所を少しずらしただけですが・・・。
通路を少しずらしても数値上は何も変わらないですよね。方程式を作れません。
ここで図1と図2を見比べてください。
通路をずらしただけなので方程式を作ろうにも作れませんが、次のことに気づいてほしいのです。
①~④のそれぞれの面積は変わったが、①~④の合計は126と変わらない。
このことに気づければ次の図3のように、通路をずらしても計算上は何も変わらないことも理解できると思います。
通路を端によせてしまっては元々の問題文にある位置と全然違うじゃないか!! と思うかもしれません。確かに見た目は変わってきますが、計算上では何も変わらない。
だったら考えやすい図3の様にみなして方程式を作っていこう、となるわけです。
ここで1つ注意!!
もとの長方形の土地の縦の長さを$x$として考えています。
図3で、花壇の縦の長さをどのように表すかには気をつけましょう。
同様に、花壇の横の長さについても注意が必要です。
【解答】
もとの土地の縦の長さを$x$とし通路を端によせると、次のような図の関係ができる。
図の白い長方形の部分が花壇で、その面積が126cm$^2$となる。
これより花壇の面積を求める方程式は
$(x-1)(x+9)=126$
これを解くと
$x^2+8x-9=126$
$x^2+8x-135=0$
$(x+15)(x-7)=0$
よって $x=-15 , 7$
$x$は縦の長さで正の数だから$x=-15$は不適。
さらに$x$は道幅よりも大きくないと題意に矛盾するため$x>1$である。
したがって $x=7$
←$x$の値が問題に矛盾していないかを必ず確かめる
よって求めるもとの土地の縦の長さは7m となる。
土地の面積と道幅の問題では、通路を端によせて方程式をつくる
補足
$x$の値を確かめるときに、「$x$は道幅よりも大きくないと題意に矛盾するため$x>1$である」とありましたね。
道幅は1mと問題の条件にありました。
でももとの土地の縦の長さが道幅1mより小さかったら、土地よりも道路の方が大きいのか!! となってしまいます。花壇を作るどころの話ではなくなってきます。
長さを考えるから$x$が正の値になるのはわかると思います。
でも方程式を解いて$x$が正の値だからといってすぐに答えとしてしまうと、大きなミスにつながることもあります。
道幅問題では、もとの土地と道幅の大小関係に注意して、求めた$x$の値を確かめるようにしましょう。