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二次方程式の解の個数

二次方程式の解が1つになる条件

ここでは、二次方程式の解の個数が1つになる場合について考えていきます。高校数学の比較的早い段階で学ぶ事柄に直結する内容です。それだけに、高校入試でも問われやすい問題です。

問題
二次方程式 $2x^2+16x+c=0$ の解の個数が1つになるときの$c$の値を求めよ。また、解を求めよ。

考え方
ふつう二次方程式の解は2つありますが、ふつうじゃない時もあります。
それが「解の個数が1つ」という場合。

二次方程式の計算問題は基本的に因数分解をして解きます。
①$(x+a)(x+b)=0$
②$(x+a)(x-a)=0$
③$(x+a)^2=0$
といった感じに。
①の場合だと$x=-a$と$-b$の2つが解になりますね。
②の場合だと$x=±a$でやはり2つ解があります。
③の場合だと$x=-a$のみとなり、解が1つとわかります。

つまりこの問題は
$(x+a)^2=0$ の形に因数分解すれば良い
ということになります。

ただここで困ったことに、この二次方程式には$c$という謎の文字があるので因数分解できません。
仕方ないので別の方法で解くしかありません。

と、ここで出てくるのが解の公式

$x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$

この解の公式の
$\sqrt{b^2-4ac}$ に注目します。

ここが$0$になれば、$-b$に対して足したり引いたりするものがないから
$x=-\dfrac{b}{2a}$ と計算が進み、
結果として$x$が1つだけに特定されるわけです。

ということで、解の公式の
$b^2-4ac$部分が$0$になれば良いことを使って解いていきます。

【解答】
二次方程式 $2x^2+16x+c=0$ に解の公式を使うと
$x=\dfrac{-16\pm\sqrt{16^2-4\times2\times c}}{2\times2}$
このとき
$16^2-4\times2\times c=0$
となれば良い。

$256-8c=0$
$-8c=-256$
$8c=256$
$c=32$

よって$c=32$のとき解の個数が1つとなる。


また解の値は
$x=-\dfrac{16}{4}$ より
$x=-4$ となる。

二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ で解の個数が1つ
といわれたら、
解の公式 $x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ で
$b^2-4ac=0$ となれば良い

補足】
解の公式
$x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ において
$b^2-4ac>0$ となれば解の個数は2つです。
ならば
$b^2-4ac<0$ のときはどうか?

このようなものは中学数学では扱いません。
どういうことかというと、
$\sqrt{b^2-4ac}$ で 根号の中が負の数になってしまう、つまり
2乗すると負の数になる、という訳のわからない事態になってしまうからです。

なので、解の公式を使って二次方程式を解くとき
$b^2-4ac$の結果が負の数になったら、どこかで間違えていると思ってください。