一方向に点が動く動点問題
基本例題1
図の長方形$ABCD$で、点$P$は$A$を出発して辺上を$B$まで動く。
点$P$が動いた長さを$x$とするとき、$\triangle APD$の面積を$y$とするとき、$y$を$x$の式で表せ。

考え方
ここでは$AD$を三角形の底辺とします。すると高さは$AP$となります。
つまり底辺が一定で高さが変化していく三角形の面積を考えます。
ここは単純に三角形の面積を求める式にそのままあてはめていきましょう。
解答
$y=8\times x\times\dfrac{1}{2}\;$より
$y=4x$
解説
点$P$が動くことによってできる長さに着目し、その長さが変化するので$x$としました。
変化するものを$x$としてあるところに動点問題の基本があります。
なお、この問題だけで見れば$AP$を底辺、$AD$を高さと考えることもできますが、次以降の問題と関わってくるので、ここでは説明の都合上$AD$を三角形の底辺としました。
ちなみに点$P$は$A$から$B$までを動くので、$x$のとる値の範囲、つまり$x$の変域は
$\:0\leqq x\leqq4\:$となります。
本問においては変域を解答に書く必要はありませんが、
$y=4x\quad (\:0\leqq x\leqq4)\:$
のように書いておくと、より良い解答といえます。
基本例題2
図の長方形$ABCD$で、点$P$は$B$を出発して辺上を$C$まで動く。
点$P$が動いた長さを$x$とするとき、$\triangle APD$の面積を$y$とするとき、$y$を$x$の式で表せ。

考え方
「$y$を$x$の式で表せ」との出題なので解答のしかたは$\;\:y=〇x+△\:\;$の形にします。
が、実は$x$で表せません。
$AD$を底辺とすると、高さは点$P$から$AD$の距離になります。
でも$x$が$BC$上を動くとき、点$P$から$AD$の距離は一定です。
つまり$P$がどこにあろうと高さは一定なので、$x$は無関係ということです。
そのため$x$で表せないということです。



したがって$\triangle APD$の面積も一定となります。
解答
$y=8\times4\times\dfrac{1}{2}\:$より
$y=16$
解説
$x$や$y$があったために難しそうに感じたかもしれませんが、実は小学校のときにもほぼ同様の問題を解いているはずです。
ここでも特に変域を解答に書く必要はありませんが、
$y=16\quad (\:0\leqq x\leqq8)\:$
としておくと、より良い解答といえます。
基本例題3
図の長方形$ABCD$で、点$P$は$C$を出発して辺上を$D$まで動く。
点$P$が動いた長さを$x$とするとき、$\triangle APD$の面積を$y$とするとき、$y$を$x$の式で表せ。

考え方
$AD$を三角形の底辺、$DP$を高さとします。
$DP$は$4cm$から点$P$が動いた分だけ徐々に短くなっていきます。
この関係を式に表します。



解答
$DP$の長さは初めは$4cm$で、そこから$P$が進んだ分、つまり$x$分短くなる
よって$\;DP=4-x\;$と表せる
これより$\triangle APD$の面積$y$は
$\begin{align}y=&8\times(4-x)\times\dfrac{1}{2}\\=&4\times(4-x)\\=&16-4x\end{align}$
$y=-4x+16$
解説
$P$が進むにつれて短くなっていく三角形の高さを式で表すのがポイント。
$P$が全部で動く分から、実際に動いた$x$の分を引くと$DP$つまり高さを表せます。
よって$4-x$が高さとなります。
変域を解答に書く必要はありませんが、
$y=-4x+16\quad (\:0\leqq x\leqq4)\:$
のように書いておくと、より良い解答といえます。
ここまで基本例題を3つ紹介しましたが、この3問はセットで解き方を理解しましょう。
次に、これらの基本例題とよく似た問題を練習します。
でも似ているけど全く別の問題です。動点問題を難しく感じてしまう原因がまさに次の問題にあります。
上記3問を確実に理解してから次に進みましょう。
点の動く方向が変わる動点問題
基本例題3までは、点$P$が一方向に動き、それ以上同じ方向に進めなくなったらそこでストップする問題でした。
次に扱う問題は、点$P$の動く方向が変わる場合も考えるものです。
動く方向が変わると、たちまち正答率が下がります。
そのため定期テストや高校入試で問われやすい問題です。
基本例題4
図の長方形$ABCD$で、点$P$は$A$を出発して辺上を$B$、$C$と通り$D$まで動く。
点$P$が$A$から$xcm$動いたときにできる$\triangle APD$の面積を$y$とするとき、$y$を$x$の式で表せ。

考え方
点$P$は$B$に到達したら終わりではなく、動く方向を変えてさらに進みます。
つまり$x$の変域が$\:0\leqq x\leqq4\:$で終わるのではなく、まだ続きがあるということ。
点$P$は$B$、$C$と通り$D$まで動くので、
$x$の変域は$\:0\leqq x\leqq16\:$になります。
これを踏まえて$y$を$x$の式で表します。



点$P$が$AB$上を動いているときは基本例題1と同じです。
でも点$P$が$BC$上を動くときは、$AB$上を動くときと同じ式では表せません。
さらに、点$P$が$CD$上を動くときもまた式が変わってきます。
点$P$の動く方向が変わるということは、全く別の図形を考えているということ。
別の図形を考えるから式も変わってくる。
そのため点$P$の動く方向が変わったら、その都度別の式を考えていく必要があります。
ということで、点$P$のある位置によって場合分けをして解答していきます。
$DC$上に点$P$があるときに、三角形の高さをどのように表すかが最大のポイントです。
解答
$AD$を三角形の底辺とする
Ⅰ) 点$P$が$AB$上つまり
$0\leqq x\leqq4$のとき
$P$の動きに応じて$x$の変域を考える。
必ず解答に含めること
$y=8\times x\times\dfrac{1}{2}\;$より
$y=4x$
基本例題1と同じ。
Ⅱ) 点$P$が$BC$上つまり
$\:4\leqq x\leqq12$のとき
$y=8\times4\times\dfrac{1}{2}\:$より
$y=16$
変域に注意!!
点の動く方向が変わっても$x$は続いている。
Ⅲ) 点$P$が$CD$上つまり
$\:12\leqq x\leqq16$のとき
$\begin{align}y&=8\times(16-x)\times\dfrac{1}{2}\\&=4\times(16-x)\\&=64-4x\end{align}$
$y=-4x+64$
$P$が全体で動く長さ$16$から実際に動いた長さ$x$を引けば$DP$の長さになる。
よって
$\begin{align}y&=4x\quad&(0\leqq x\leqq&\:4)\\y&=16\quad&(4\leqq x\leqq&\:12)\\y&=-4x+64\quad&(12\leqq x\leqq&\:16)\end{align}$
解説
点$P$が動く方向が変わると別の図形を考えることになるため、場合分けをして解答していきます。
そのため解答にも必ず変域を記しておきます。
この問題に限らず、動く方向が変わるときは場合分けすると覚えておきましょう。
$CD$上に点$P$があるときの高さの表し方で困った人も多いと思います。
ここは基本例題3を少し発展させて考えます。
点$P$が全部で動く長さから実際に動いた長さを引けば、残りの長さ$DP$が高さとなります。
基本例題3では点$P$が$CD$上を動くときだけを考えましたが、基本例題4は点$P$が$A$から動いています。
そこが大きな違い。
そのため点$P$が全部で動く長さ$16$から実際に動いた$x$の分を引いて高さを表しています。
(基本例題3では点$P$が全部で動く長さは$4$だったので$\:4-x\:$でした)


点の動く方向が変わるときの式の表し方
$x$の値が大きくなるにつれて三角形の高さが短くなるときは
$x$が取る最大値から$x$が進んだ分を引いて表す