このページでは立体の表面積の中でも特に、円錐の表面積の求め方について練習します。
円錐の表面積を求めるには
- おうぎ形の面積や弧の長さの求め方
- 表面積の考え方
の2点を理解していることが大前提。
円錐の表面積の求め方
まずは自分なりにしっかり考えて、それから解説を読み進めてください。
じっくり例題
底面の半径が$3cm$、母線の長さが$5cm$の円錐の表面積を求めよ。

(解答はこのページのかなり下)
円錐の表面積でも
表面積$=$底面積$+$側面積
で求めることに変わりはありません。
ただ円錐の表面積の求め方はクセが強いのでじっくり解説します。
円錐は直角三角形を回転させた図形
母線(ぼせん)とは
問題中の図にある$5cm$の部分を母線といいます。
もう少していねいに書くと、
「母線とは、ある図形を回転させてできる立体の、側面をつくる部分の長さ」です。
円錐は直角三角形を回転させてできた図形です。
問題の図では直角三角形の$5cm$の部分が側面を作っている、ということになります。
まぁ言葉で書くとえらく難しいものに見えてしまうので、
「円錐の側面の長さが母線」
とざっくり覚えておけば十分です。

ところで問題の図だけで円錐の表面積を考えようとしても難しすぎます。
なので展開図を描いて考えます。
この例題に限らず、円錐の表面積の問題では展開図を描いて考えるようにしましょう。
円錐の表面積=おうぎ形の面積+円の面積
円錐の展開図は底面が円、側面がおうぎ形になります。
つまり
円錐の表面積$=$おうぎ形の面積$+$円の面積
を計算すれば円錐の表面積が求まります。

すると円の面積は
$3\times3\times\pi=9\pi$
とすぐわかります。
ではおうぎ形の面積はどうなるか?
このおうぎ形の面積を求めるのが最大の難関です。
おうぎ形の面積をどう求めるか?
円錐の展開図より
母線がおうぎ形の半径
底面の円周の長さがおうぎ形の弧の長さ
となります。
よっておうぎ形の弧の長さを$l$とすると
$l=2\times3\times\pi=6\pi$
と求まります。

おうぎ形の半径は$5cm$とわかっています。
弧の長さは計算で$6\pi$と求まりました。
でもおうぎ形の面積を求めるには中心角がわからないと求まりません。
ならば中心角は何度になるのか?
弧の長さからおうぎ形の中心角も見えてくる
おうぎ形の半径を$r$、中心角を$a$とすると、おうぎ形の弧の長さ$l$は
$l=\:2r\times\pi\times\dfrac{a}{360}$
として求められました。
そして
$l=6\pi\quad r=5\quad$とそれぞれわかっています。

よっておうぎ形の中心角$a\:$は
$\begin{align}&6\pi=2\times5\times\pi\times\dfrac{a}{360}\\\\&6\pi=10\pi\times\dfrac{a}{360}\\\\&6\pi=\dfrac{a}{36}\pi\\\\&\;\:6=\dfrac{a}{36}\\\\&\:\; a=216°\end{align}$
これよりおうぎ形の面積は
$\begin{align}\quad &5\times5\times\pi\times\dfrac{216}{360}\\\\=&\:25\pi\times\dfrac{3}{5}\\\\=&\:\dfrac{75}{5}\pi=15\pi\end{align}$
したがって求める円錐の表面積は
$9\pi+15\pi=24\pi\;(cm^2)$
と求まりました。
解答の流れのまとめ
解法手順
ここまで大変長くなったのでまとめておきます。
- 円錐の表面積は展開図で考える
- 円錐の表面積$=$おうぎ形の面積$+$円の面積
- おうぎ形の面積を求めるには中心角が必要
- 中心角を求めるために弧の長さを使った
- 弧の長さは底面の円周に等しい
おうぎ形の中心角を求めるのがこの問題を難しく感じさせてしまうところ。
しかし理屈をおさえておけば決して難しいものではありません。
中心角のところで手が止まってしまう場合は、おうぎ形についてしっかり復習しましょう。
ところで、じっくり例題の展開図はおうぎ形の中心角を考えずに描いたものです。なので、おうぎ形の形としてはいい加減です。
単におうぎ形といっても、円に近いものや半円のもの、ショートケーキ的な形のものなど様々な形があります。

上記で「円錐の表面積の問題では展開図を描いて考える」としましたが、おうぎ形の中心角がわからなければ正確なおうぎ形は描けません。
なので円錐から単に円錐の展開図を描く場合、自分でわかるように描けばそれで十分です。

おうぎ形の面積 もう一つの求め方
ところでおうぎ形の面積を求める式に
$S=\dfrac{1}{2}lr$
がありました。
これはおうぎ形の中心角がわからなくても面積を求められるものです。
解説ではおうぎ形の中心角を求める必要があったため、結構面倒だったと思います。
でも$S=\dfrac{1}{2}lr$を使えば、いちいち中心角を求める必要がないのでその分計算が減りかなりラクができます。
しかも計算ミスの危険も減る。
ならばこの式を使った方が絶対に得ですよね。
別解
半径$5cm$、弧の長さ$6\pi\:cm$のおうぎ形なのでその面積$S$は
$S=\dfrac{1}{2}\times6\pi\times5=15\pi\:(cm^2)$
円の面積は$9\pi\:(cm^2)$
よって円錐の表面積は
$9\pi+15\pi=24\pi\:(cm^2)$

