移項とは
方程式を解くときの重要な考え方の1つに移項というものがあります。等式の性質を使った解き方では足したり引いたり何やかんやでかなり面倒でしたが、移項の考え方を使うとコンパクトに、しかもわかりやすくラクに式変形できます。なので方程式を解くときは移項を使って解くようにします。
移項 左辺にある項を右辺へ、また右辺にある項を左辺へ、符号を変えて移すこと。
移項を使った方程式の解き方の前に、まず等式の性質を使った方程式の解き方を。
左辺を
↓
左辺からしてみると、「もともとあった
これがまさに移項です。
補足 別のページでは散々等式の性質が大切だ!! と強調しておきながらあっさり言っていることを変えていますが、やっぱり簡単なほうが良いですよね。じゃぁなんで等式の性質をわざわざやったのかというと、移項の考え方は等式の性質がもとになっているからです。なので等式の性質は理屈としてしっかり理解してください。で、計算する時はラクしましょう。
ということで、移項を使った方程式の解き方をまとめます。
移項を使った方程式の解法手順
大切なので改めて書きますが、方程式を解くとは、
移項を使った解法手順
①文字を含む項を左辺へ移項し、数字だけの項を右辺へ移項する
②両辺それぞれ計算し
③
それでは例題で確認していきましょう。
例題1 方程式
考え方 移項の際は符号を変える。
解答
←左辺の
←
←等式の性質から両辺
例題2 方程式
考え方
解答
←移項
←
←−(−)=+ 分母の
計算に慣れていないうちは
例題3 方程式
考え方 解が分数になってもやることは同じ
解答
←ここでミスが多発する
←解が分数になることも当然ある
右辺の数値よりも左辺の
ここまでは基本中の基本です。移項を使った解き方で迷った時は、この3つの例題を参考に確認してください。
次は一歩踏み込んで、(かっこ)がついた方程式を解いていきます。
例題4 方程式
考え方 (かっこ)がある時は、はずしてから計算。
解答
←分配法則で
←(かっこ)をはずしたら移項
←両辺
←−(−)=+ 分母の
(かっこ)の中は「ひとまとまり」として考えました。つまり
さらに、
そしたらあとは

(かっこ)がある時は必ず分配法則でかっこをはずしてから計算する
ここまで方程式の計算の基本となる解き方を学びました。
一通り理解が進んだらこちらのページで練習してみましょう。