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移項をつかった方程式の解き方

移項とは

方程式を解くときの重要な考え方の1つに移項というものがあります。等式の性質を使った解き方では足したり引いたり何やかんやでかなり面倒でしたが、移項の考え方を使うとコンパクトに、しかもわかりやすくラクに式変形できます。なので方程式を解くときは移項を使って解くようにします。

移項 左辺にある項を右辺へ、また右辺にある項を左辺へ、符号を変えて移すこと。

移項を使った方程式の解き方の前に、まず等式の性質を使った方程式の解き方を。

  x+2=8

x+22=82

    x=82

    x=6

左辺をx=の形にするために、2行目で2を引きました。この2に注目しながら3行目を見てください。
x+2=8

  

x  =82

左辺からしてみると、「もともとあった+2が、符号が変わって右辺に行ってしまった」様に見えませんか?

これがまさに移項です。

補足 別のページでは散々等式の性質が大切だ!! と強調しておきながらあっさり言っていることを変えていますが、やっぱり簡単なほうが良いですよね。じゃぁなんで等式の性質をわざわざやったのかというと、移項の考え方は等式の性質がもとになっているからです。なので等式の性質は理屈としてしっかり理解してください。で、計算する時はラクしましょう。

ということで、移項を使った方程式の解き方をまとめます。

移項を使った方程式の解法手順

大切なので改めて書きますが、方程式を解くとは、x=の形を導くことです。そのために移項していきます。

移項を使った解法手順
①文字を含む項を左辺へ移項し、数字だけの項を右辺へ移項する
②両辺それぞれ計算しax=bの形をつくる
xの係数aで両辺をわる

それでは例題で確認していきましょう。

例題1 方程式3x2=x+4を解け。

考え方 移項の際は符号を変える。xは係数1が隠れていることに注意。

解答 3x2=x+4

3xx=4+2

←左辺の2と右辺のxを移項

  2x=6

x=の形にするために、xの係数2で両辺をわる

  22x=62

←等式の性質から両辺2で割る

   x=3

例題2 方程式5x+4=8x5を解け。

考え方 xの係数が負の数でも手順は同じ

解答 5x+4=8x5

5x8x=54

←移項

 3x=9

xの係数が負の数なので符号に注意

33x=93

−(−)=+ 分母のに注意

   x=3

計算に慣れていないうちは3x=9で迷ったかもしれません。係数が負の数で不安なら、いったん両辺に1をかけて3x=9としておくと良いでしょう。

例題3 方程式3x7=7x2を解け。

考え方 解が分数になってもやることは同じ

解答 3x7=7x2

3x+7x=2+7

  10x=5

←ここでミスが多発する

  1010x=510

   x=12

←解が分数になることも当然ある

右辺の数値よりも左辺のxの係数の方が大きい時に意外とミスが多発します。この問題だとx=2とするミスが目立ちます。解法自体はわかっているのに解が分数になるとたちまち不安になって、整数になるのが正解だと錯覚してしまうためです。ミスのほとんどはうっかりなのですが、中には計算に不安がある人もいます。気をつけましょう。

ここまでは基本中の基本です。移項を使った解き方で迷った時は、この3つの例題を参考に確認してください。
次は一歩踏み込んで、(かっこ)がついた方程式を解いていきます。

例題4 方程式2(3x7)=x6を解け。

考え方 (かっこ)がある時は、はずしてから計算。

解答 2(3x7)=x6

6x+14=x6

←分配法則で27にもかけるのを忘れずに。符号に注意。

6x+x =614

←(かっこ)をはずしたら移項

  5x=20

←両辺5で割る

 55x=205

−(−)=+ 分母のに注意

   x=4

(かっこ)の中は「ひとまとまり」として考えました。つまり(3x7)を1つの数字とみなします。
さらに、2(3x7)2(3x7)のかけ算です。方程式全体をみると四則の混じった計算となっています。四則の混じった計算では、かけ算を先に計算する決まりがありました。そのため分配法則でかっこをはずします。
そしたらあとはx=の形を作るだけ。

かっこ)がある時は必ず分配法則でかっこをはずしてから計算する

ここまで方程式の計算の基本となる解き方を学びました。
一通り理解が進んだらこちらのページで練習してみましょう。