空間図形の問題を難しいと感じてしまう原因は、空間図形をうまくイメージできないところにあります。
実際に手に取ってみればどうということのない図形も、頭の中だけで縦横高さを考えるとなると、どうしても複雑になりイメージしにくくなってしまうものです。
でも裏を返せば、空間図形のイメージがしっかりできれば、問題もずいぶん楽に解けるようになるはずです。
いろいろな立体
多面体
平面だけで囲まれた立体を多面体といいます。
面の数に応じて四面体、五面体、六面体・・・などといいます。
そして多面体の中でもそれぞれの特徴に応じて、○○柱や○○錐といった名称がつきます。
平面だけというところが重要。
もし平面以外に曲面になっている箇所があれば、それは多面体とはいいません。
そのため球は多面体ではありません。
また円柱や円錐も曲面が含まれる立体なので多面体ではありません。

正多面体
多面体の中でも特に、すべての面が合同な多角形でできていて、さらにどの頂点にも面が同じ数だけ集まってできる多面体でへこみのない立体のことを正多面体といいます。
正多面体は5種類しか存在しないことが証明されています。(証明はこのサイトの主旨から大きくズレるので割愛します)


どの頂点にも面が同じ数だけ集まってできるというところが重要。
さすがに正十二面体や正二十面体のイラストで理解するのは難しいですが、正四面体、正六面体、正八面体のイラストで確認してください。
例えば正四面体の場合、1つの頂点には3つの面が集まっています。
そしてどの頂点を見てもそれぞれ3つの面が集まっています。


正多角形はどの頂点にも面が同じ数だけ集まっている
参考までに、それぞれの正多面体について面の数、辺の数、頂点の数、1つの頂点に集まる面の数を掲載しておきます。
ただ暗記する必要はありません。
| 面の数 | 辺の数 | 頂点の数 | 1つの頂点に集まる面の数 | |
| 正四面体 | $4$ | $6$ | $4$ | $3$ |
| 正六面体 | $6$ | $12$ | $8$ | $3$ |
| 正八面体 | $8$ | $12$ | $6$ | $4$ |
| 正十二面体 | $12$ | $30$ | $20$ | $3$ |
| 正二十面体 | $20$ | $30$ | $12$ | $5$ |
ここまではまだ導入部分ですが、すでにたくさんの用語が出てきました。
基本例題を使っていったん頭の中を整理しておきましょう。
基本例題1
図の①から⑥の立体で多面体であるものを選び、何面体か答えよ。

考え方
多面体とは平面だけで囲まれた立体の総称でした。
解答
② 四面体
③ 六面体
⑤ 八面体
解説
①は球なので多面体ではありません。
②は4つの三角形だけで囲まれているので多面体で、四面体です。
③は6つの四角形だけで囲まれているので多面体で、六面体です。六面体の中でも特に直方体の名称がつきます。
④は円錐です。曲面が含まれる図形なので多面体ではありません。
⑤は8つの三角形だけで囲まれているので多面体で、八面体です。いかにも正八面体っぽいですが、全ての面が合同とはどこにも示されていないので、このイラストだけでは正八面体とはいえません。
⑥は言葉で表せない曲面が含まれるので多面体ではありません。辛子めんたいです。
なお②③⑤ですが、全ての面が合同だといえる証拠があればそれぞれ正四面体、正六面体、正八面体と答えます。
ただ基本例題1においては合同といえる証拠がないので、正多面体とはいえません。
空間における直線や平面の位置関係
直線や平面の互いの位置関係には名称があります。
よく使う名称なのでしっかり覚えましょう。
交わる 接する
交わるとは2つの直線が互いにぶつかり合いさらに突き抜ける関係をいいます。
接するとは2つの直線が1か所だけで触れていて突き抜けることのない状態をいいます。
この2つの違いをしっかりおさえておきましょう。
「交わる・接する」は直線と直線のときだけの話ではなく、直線と平面、平面と平面の関係でもいえます。

2つの平面が交わったところにできる線を交線といいます。
交線は直線になります。
平面A 平面Bという表し方(アルファベットは都度変わってくる)が今後よく出てくるので、表し方に慣れておきましょう。

「平面と平面が交わる」ということがイメージしにくい人は、そこら辺に散らかってる適度に厚い紙2枚を使って考えてみてください。
2枚の紙が交わっているところは直線になっているとわかります。
1枚の紙を折り曲げても、2つの平面が交わっているものと解釈できます。
折り目は直線ですよね?
平行
平行とは2つの直線をどこまで伸ばしても永久に交わることのない関係をいいます。
平面上で考える場合、2つの直線が平行でないならば必ずどこかで交わります。
平行についても直線と直線のときだけの話ではなく、直線と平面、平面と平面の関係でもいえます。
永久に交わることがないということは、お互いの距離が縮まることがない、ということでもあります。

ちなみに話し合いで問題が解決できず妥協点が見つからなかったことを「平行線に終わった」などといいます。
なかなかうまい表現だと思います。
よしお君はよしこさんに好意を持っています。だから少しでもお近づきになりたい。
そこで適当に理由をつけてちょっと話しかけたとする。
このとき平行線に終わったというと、よしお君にとってはかなり残念な結果だったといえます。
なぜなら永久に交わることのない関係なわけだから。
お近づきになるには次の手を考え、平行をぶち壊さなければなりません。


平面上では、平行でないならば必ずどこかで交わることになる
ねじれの位置
ねじれの位置とは2つの直線が平行ではなく、かつ交わることもない関係のことをいいます。
空間で考える場合は、2つの直線が平行でないときでも交わらないことがあります。それがねじれの位置。
ねじれの位置についても直線と直線のときだけの話ではなく、直線と平面、平面と平面の関係でもいえます。

よしお君はお昼ご飯に、ピリ辛のめんたいおにぎりを食べによしこさんを誘おうと考えています。
でもよしこさんは砂糖がまぶしてある甘めのねじりパンを食べたいと考えています。
このとき、考えている内容がめんたいおにぎりとパンなので、お昼ご飯を食べるという点では意見が一致しているため平行線ではありません。これが平面で考えているならどこかで交わる(お昼を誘える)可能性があります。しかし、甘いかピリ辛かの別の次元の判断材料が入ってきたため、平行でなくても交わらない(誘っても断られる)という事態が起きてしまいます。

まさにねじれの位置関係。
よしお君はよしこさんと一緒にお昼を食べるという甘い夢を見ていますが、この状態でよしこさんを誘ったとしても、ねじれているがためにピリ辛の返事が来るでしょう。

空間で考える場合、平行でなくても交わらないことがある ねじれの位置
ところで、誘いに対してピリ辛の返事が来たら別の対策を立てれば良いですが、テストでピリ辛の点を取ってしまったらたまりません。
次の位置関係に関する練習問題を通してしっかりテスト対策をしましょう。
基本例題2
$(1)\:$辺$AB$と垂直な面をすべて答えよ。
$(2)\:$辺$AB$と平行な面をすべて答えよ。
$(3)\:$辺$AB$とねじれの位置にある辺をすべて答えよ。
$(4)\:$面$ABCD$に垂直な辺をすべて答えよ。
$(5)\:$面$ABFE$に垂直な面をすべて答えよ。
$(6)\:$面$ABCD$と面$CDHC$の交線を答えよ。

考え方
角度でいうと垂直は$90$°、平行は$0$°です。
図を見ながら位置関係を判断する問題は、図の特徴を捉えながら都度判断するしかありません。
本問は直方体なので四角形の知識が必要になってきます。
なお本問では必要ありませんが、問題によっては三角形、五角形、六角形の知識が必要になってくるものもあります。
解答
$(1)\:$面$BFGC\quad$面$AEHD$
$(2)\:$面$EFGH\quad$面$CGHD$
$(3)\:$辺$CG\quad$辺$DH\quad$辺$EH\quad$辺$FG$
$(4)\:$辺$AE\quad$辺$BF\quad$辺$CG\quad$辺$DH$
$(5)\:$面$ABCD\quad$面$BFGC\quad$面$FGHE\quad$面$EHDA$
$(6)\:$辺$CD$(直線$CD$も可)
解説
◆面の表し方について◆
平面の表し方として上記で、平面A 平面Bという表し方を紹介しました。
平面に名前を付けたときにこの表し方をすると便利です。
一方、基本例題2では面$BFGC\quad$というように、各頂点を結んだ表し方をしています。
この方法は、どの頂点を結んだときにできる平面なのかをはっきりさせるときに使います。
特に基本例題2では、面の名前がついていないので各頂点を結んだ表し方をしています。
なおアルファベットの表し方としては、各頂点を順にたどるようにすれば問題ありません。
よって面$BFGC$は、面$FGCB$、面$GCBF$、面$CBFG$としても同じ意味になります。
ただ必ず「面もしくは平面」と一言つけます。
面(もしくは平面)をつけないと、$BFGC$の4点を通る線を指していることも考えられるためです。
◆辺の表し方について◆
$(3)(4)(6)\:$では辺を答える問題なので、解答にも辺$CG$というように「辺」と一言つけました。
$CG$とした時点で「線」であることがわかるので「辺」をつけなくても間違いではありません。
ただ、問題の趣旨に合わせる意味で「辺」とつけておいた方が適切です。
もちろんアルファベットの順が逆でも同じ意味なので問題ありません。
$(6)\:$細かいことですが、平面と平面が交わる交線は直線になる、と紹介しました。
そのため直線$CD$としても可です。(直線$DC$も可)
この立体上の部分を明確にする意味では辺$CD$といえます。
$CD$を示している時点で線を答えているので、単に$CD$と解答しても間違いではありません。