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四則の混じった計算

四則演算を難しく感じる理由

ここでは四則の混じった正負の数の計算を解説します。四則の混じった計算を難しく感じてしまう原因に、$+$$-$の符号の扱い方をどうするのか、というのがあります。計算に慣れていない中学1年生は1度は混乱する部分。でも2点注意すれば四則の混じった計算は難なくこなせます。
その注意点が次の2つのポイント。

四則の混じった計算では、(かっこ)の外にある$+$や$-$の左側でいったん区切る

(かっこ)の外にある$+$や$-$は計算記号だから省略できない

四則の混じった計算ではかけ算・わり算を先に計算します。その際、計算ミスを防ぐためにいったん区切って考えます
では(かっこ)の外にある$+$や$-$の左側でいったん区切るとはどういうことか?
例題を使いながら解説します。

指数や符号に注意して計算する

式のどこで区切っているかを意識してください。

例題1 $10+(-3)×(-2)$ を計算せよ。

考え方 $10$と$+$の間で区切ります。

解答
 $10+(-3)×(-2)$

$=10+(+6)$

$=10+6=16$

$(-3)×(-2)$ を先に計算し、符号のミスを防ぐための工夫として、$+$の左側で区切りました。

でもこの問題についていえば、実はいちいち区切らなくてもスムーズに進めることができます。なぜなら、かけ算部分を先に計算するとわかっていれば$(-3)×(-2)$の結果が$+$となり、$+(+)$になるので符号のミスはまずおきないからです。
でも次のような問題ではいったん区切らないと、四則演算に慣れていない人にとってはいっきにミスしやすくなります。

例題2 $10-3×(-2)$ を計算せよ。

考え方 (かっこ)の外にある$-$の左側で区切ります。

解答
 $10-3×(-2)$

$=10+6$

$=16$


かけ算部分を先に計算したことで$+6$が出てきました。これをそのままもとの式に当てはめて$10+6$を計算すれば良いわけです。

補足 実は$+$や$-$の右側で区切っても正答は出せます。
ただその場合、
$10-3×(-2)=10-(+3)×(-2)$ あるいは
$10-3×(-2)=10+(-3)×(-2)$
と式変形しなければなりません。
これでは式を考える上でひと手間かかってしまい、その分ミスする危険が出てきます。
なので$+$や$-$の左側で区切ることをお勧めします。
ちなみに例題2の$-3$部分は$+(-3)$なので、例題1も例題2も実は同じ問題でした。

例題3 $-4^2+(-3)^2$ を計算せよ。

考え方 指数がある時は指数計算を最優先で。$4^2$と$+$の間で区切ります。

解答
 $-4^2+(-3)^2$

$=-16+(+9)$

$=-7$

例題4 $-4^2-3^2$ を計算せよ。

考え方 $4^2$と$-$の間で区切った方がミスする危険は減ります。

解答
 $-4^2-3^2$

$=-16-9$

$=-25$

←$-4^2=-(4\times4)$
$=-16$

 $-3^2=-(3\times3)$
$=-9$

例題5 $-4^2-(-3^2)$ を計算せよ。

考え方 $-4^2$と$-(-3^2)$で分けた方がミスする危険は減ります。
指数計算が最優先になることを踏まえ$-(-3^2)$の符号の扱いに注意しましょう。

解答
 $-4^2-(-3^2)$

$=-16-(-9)$

$=-16+9$

$=-7$

←$-(-3^2)$で
(かっこ)の外の$-$はいったん放置する。
$-3^2=-9$
ここで改めて、放置した$-$を考える。
$-(-9)=+9$

指数がある時は指数を最優先で計算してから進める