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三平方の定理と空間図形

三平方の定理は直角三角形があれば成り立つものです。
空間図形の中に直角三角形があった場合でも、三平方の定理を使うことができます。
このページでは三平方の定理と空間図形の初歩的な融合問題を扱い、解き方の基本を身につけていきます。

直方体の対角線の長さの求め方

具体的に次の基本例題を解いてみましょう。

基本例題1


縦$4cm$、横$7cm$、高さ$5cm$の直方体の対角線の長さを求めよ。

考え方
図のように3点を$A,B,C$とつけます。
このときできる$\triangle ABC$は直角三角形です。
このことはしっかり見抜きましょう。


求めるのは$AC$。
$AB$は$5cm$とわかっている。
$BC$の長さがわかれば$\triangle ABC$に対し三平方の定理を使えそうです。
ならば$BC$の長さは・・・、

解答
$BC=\sqrt{7^2+4^2}=\sqrt{49+16}=\sqrt{65}$
$\triangle ABC$に対し三平方の定理を使うと
$\begin{align}AC&=\sqrt{AB^2+BC^2}\\&=\sqrt{25+65}=\sqrt{90}\\&=3\sqrt{10}\end{align}$
よって
$AC=3\sqrt{10}\:cm$

解説
直方体だから当然底面は長方形ですよね。
ということは$BC$を境に底面は2つの直角三角形に分かれます。
すると三平方の定理から$BC$の長さが求まります。

解答の流れとしては、長さを求めるために三平方の定理を使いまくった、といったところです。
この問題は解き方そのもの覚えてしまいましょう。

一般的に
縦$a$、横$b$、高さ$c$の直方体の対角線の長さは
$\sqrt{a^2+b^2+c^2}$ で求められます。

直方体の対角線の求め方
縦$a$、横$b$、高さ$c\:$の直方体の対角線の長さは
$\sqrt{a^2+b^2+c^2}$

三平方の定理を使うために直角三角形を見つける。
あるいは強引に直角三角形を作り出す。
このような手法はよく使います。上記直方体の問題ではまさに$BC$の長さがそうでした。

引き続き、強引に直角三角形を作り出す問題としてよくある円錐問題を解説します。

三平方の定理と円錐の体積

次の基本例題2は、教科書や参考書などによくある代表的な問題です。
まずはヒントなしで自力で解いてみてください。

基本例題2


母線の長さが$\:7\:cm$、底面の半径が$\:3\:cm\:$の円錐がある。
この円錐の体積を求めよ。

考え方
円錐の体積$\:=\dfrac{1}{3}\:\times\:$底面積$\:\times\:$高さ
の式にあてはめて求めます。
底面積は円の面積を計算すればすぐ求まります。
問題は高さ。

図のように頂点を$A$、底面の円周上の点を$B$とし、頂点$A$から底面の中心$O$に向けて垂線を下ろします。
この垂線が円錐の高さになります。

ここで$\triangle ABO$に注目すると直角三角形なので、三平方の定理から$AO$の長さが求まります。

解答
$\triangle ABO$は直角三角形なので三平方の定理から

$\begin{align}AB^2=&\:BO^2+AO^2\\7^2=&\:3^2+AO^2\\49=&\:9+AO^2\\40=&\:AO^2\end{align}$
よって$AO=2\sqrt{10}\:cm$

底面積は
$3^2\times\pi$

これらより求める円錐の体積は
$\dfrac{1}{3}\times3^2\times\pi\times2\sqrt{10}=6\sqrt{10}\:\pi\quad(cm^3)$

←$AB$は直角三角形の斜辺なので注意!!

解説
この問題も定番中の定番なので、自力で解けなかった人は解き方そのものを覚えてしまいましょう。
「円錐の頂点から底面の円の中心に向け垂線を引く」方法はよく使います。
この問題に限らず、円錐を見たら反射的にそうするようにしましょう。

立体の側面に糸をかけたときの最短の長さと求める

次の基本例題3も、教科書や参考書などによくある代表的な問題です。
キーワードは「最短」。最短といったら真っすぐな線。
このことを念頭に次の問題を解いてみましょう。

基本例題3

底面が1辺$3cm$の正方形で、高さが$5cm$の直方体がある。
この直方体に対し、図のように頂点$A$から頂点$E$まで、直方体のすべての側面を通るようにして糸を引く。
このとき糸の長さが最短になるように引くと、糸の長さは何$cm$になるか。

考え方
最短といったら、糸が弛むことなくピンと引いてある状態です。
つまり糸が直線状になるということ。
立体で考えると糸が曲がったように感じますが、平面に置き換えて考えます。
要するに展開図を書いて糸の通る道筋を考えましょう。

解答
直方体の展開図に糸を引いたものを考えると、図のように底辺$12cm$、高さ$5cm$の直角三角形ができる。

よって三平方の定理から
$\begin{align}&\sqrt{5^2+12^2}\\=&\:\sqrt{25+144}=\sqrt{169}=13\:(cm)\end{align}$

解説
$A$から$E$まで糸が切れないような展開図を考えます。
展開図の描き方で間違えてしまうとその後が続かなくなります。

この問題も三平方の定理の代表的な問題です。解き方を覚えてしまいましょう。