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累乗と指数の計算

ここでは指数の計算について、特に間違えやすいところを解説します。
間違えやすいからこそ、テストでも出題されやすい部分。指数の性質をしっかり理解しておきましょう。

累乗 指数 とは?

累乗とは同じ数をいくつかかけ算したもののことをいいます。
例えば、2を4回かけ算したとします。すると式は

$2\times2\times2\times2$

となりますよね。これが累乗です。
そしてこれはもっとコンパクトに

$2^4$ と書けます。

この右上についた小さい数字のことを指数(しすう)といい、『2の4乗(2の4じょう)』と読みます。
かける回数が多い時には、指数を使って表した方が見やすく考えやすくなります。

ということは、
$2\times2\times2$ は $2^3$
$2\times2$   は $2^2$ となります。
そして
$2$ は $2^1$ となります。ただ指数が1ならふつうは書きません。

ちなみにですが、$2^0$ は $1$ です。
どんな数でも0乗は$1$と定義されています。

負の数と指数

上の例では何ら難しいことは無いのですぐ理解できると思います。
でも負の数が関わってくると、中学1年生のほぼ100%が1回は間違える部分があります。
それが以下にあげるものです。

●$(-3)^2$ と $-3^2$ の違い●

この違い、わかりますか?
$(-3)^2$ は $-3$ を2回かけ算することを表します。つまり
$(-3)^2=(-3)\times(-3)$ で $9$ となります。

一方 $-3^2$ は $3$ を2回かけ算することを表し
$-3^2=-(3\times3)$ で $-9$ となります。

この2つの違い、そういうこととして覚えるしかないのですが、

「指数はそのすぐ左隣にあるものについて効果を発揮する」

と考えると良いでしょう。

$(-3)^2$ の場合、指数の2のすぐ左隣にあるのは )です。この ) に効果を発揮する。そして )があるということは必ずその前に( もあります。
つまり、(かっこ)の中のものがひとまとまりになっていて、それ全体を2回かけ算すると考える。
  $(-3)^2=(-3)\times(-3)=9$
$-3^2$ の場合、指数の2のすぐ左隣にあるのは 3です。この 3 に指数が効果を発揮する。
つまり、3だけを2回かけ算してその結果にマイナスをつけると考える。
  $-3^2=-(3\times3)=-9$

●$-3^2$ をもう少し詳しく●

$-3^2$ は $-(+3)^2$ ということです。
さらに厳密に書くと$-1\times(+3)^2$ です。
正の数を表す$+$は省略して書くことができました。その省略したものが$-3^2$ です。
指数はそのすぐ左隣にあるものに効果を発揮するから、 ) に効果を発揮します。
つまり $(+3)$ に効果を発揮する。
結果として$(+3)\times(+3)=9$ となり、それに$-1$をかけ算して$-9$となるわけです。

指数はそのすぐ左隣にあるものについて効果を発揮する

テストによく出る指数の計算

以下に指数計算の具体例としていくつか挙げておきます。どれも間違えやすい計算だったり、迷いやすい問題です。

$2\times3^2=2\times9=18$

指数がある部分を最優先で計算。
$3^2=3\times3=9$

$2^3\times3^2=8\times9=72$

指数がある部分を最優先で計算。

$2\times(-3)^2=2\times9=18$

←指数の2はすぐ左隣にあるもの、この場合 に効果を発揮。$(-3)\times(-3)=9$

$2\times(-3^2)=2\times(-9)=-18$

←指数の2はすぐ左隣にあるものに効果を発揮。この場合3のみに働く。

$10-(-3)^2=10-9=1$

←指数が効果を発揮するのは$(-3)$に対してのみ。その左にある$-$はいったん放置しておく。

$10+(-3)^2=10+9=19$

←指数が効果を発揮するのは$(-3)$に対してのみ。その左にある$+$はいったん放置しておく。

$2^3\times(-2)^3=8\times(-8)=-64$

←$2$と$-2$は別々の数値なので別々に計算する。
$(-2)^3=(-2)\times(-2)\times(-2)=-8$

$(\dfrac{2}{3})^2$$=\dfrac{2}{3}\times\dfrac{2}{3}=\dfrac{2\times2}{3\times3}=\dfrac{4}{9}$

←指数の2はすぐ左隣にあるもの  に効果を発揮する。(かっこ)の中がひとまとまり。

$+(\dfrac{2^2}{3})=\dfrac{4}{3}$

←この場合、指数は分子の2だけに効果を発揮する。

$-(\dfrac{2^2}{3})=-\dfrac{4}{3}$

←この場合、指数は分子の2だけに効果を発揮する。指数を最優先で計算する。$-$はいったん放置しておく。