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文字式のきまり 基本と考え方

文字式の意味

例えば、道のり=速さ×時間 これは立派な文字式です。
文字通り、文字で式を表しています。速さや時間の所に数字を当てはめて計算しますよね。

他にも、
代金=1個の値段×個数
長方形の面積=縦の長さ×横の長さ
なども文字式です。

中学になってからは$a$ や$x$ などアルファベットを使った形で学びますが、これだって考え方は同じ。アルファベットに数字を当てはめて計算するわけです。

もし 30×5 とあったら、30と5の時だけを考えてかけることになります。
でも $a$×$b$ とあったら、
「$a$と$b$のかけ算をするけど、$a$と$b$にはどんな数字でもいいから適当に当てはめてね
という意味になります。

文字を使って表すことで、
「その文字には様々な数字を当てはめて考えることができる」


文字式のきまり

文字式には表し方のきまり(ルール)があります。
きまりなので、そういうこととして覚えてください。

文字式のルール
① ×の記号は省略する
② 複数種類ある文字のかけ算では、アルファベット順で書く
③ 数字とアルファベットのかけ算では数字を先に書く
④ 1と文字のかけ算では1を省略する
⑤ 割り算は分数の形にする

⑥ 同じ文字の積は指数で表す

$y$ $\times$ $a =ay$
$a\times3=3a$
$1$ $\times$ $x=x$ (要注意)
$a\div5$ $=\dfrac{a}{5}$
$x$ $\times$ $x=x^2$ と表します。(指数は右上にある小さい2のこと)

$-1\times$$b$は、$-b$となり、$1$は省略しますが、-は残ります

ルール⑤割り算は分数の形にするというのは、「分数の割り算は、割る数の分母と分子を入れ替えてかけ算になおして計算」しますが、その考え方を当てはめます。


単純に文字だけで表されている時は、そこに1がかけ算されていると考える。
$a$ とあったら $1\times$$a$ ということ


文字式の表し方の例

文字式のきまりに従って、もう少し複雑な文字式の表し方を例として挙げておきます。

 $a\times(-3)=-3a$

 $x$ $\times$ $x$ $\times$ $x=x^3$
($x$を3回かけ算しているから指数は3)

 $x$ $\times$ $(-1)$ $\times$ $x=-x^2$

 $(x+1$) $\times$ $(x+1)=(x+1)^2$

 $(x+3$) $\times$ $(-5)=-5(x+3)$

 $(x+7$) $\div$ $3=\dfrac{x+7}{3}$
(注意 ④~⑥のように、文字を含むかっこの中の計算は、ひとまとまりの数として見なす)

 $2\div5$ $\times$ $y$ $=\dfrac{2y}{5}$ ($\dfrac{2}{5}$$y$ も可)
(注意 $y$はかける数なので$\dfrac{y}{1}$となり分子になる。もしくは分数のーの真横でも可)

 $(x+7$) $\div$ $(-3)=-\dfrac{x+7}{3}$
(注意 $-$を分母につけて$\dfrac{x+7}{-3}$としても可。ただ通常は分数のーの真横に$-$をつける)

 $-(x+7$) $\div$ $3=-\dfrac{x+7}{3}$
(注意 ⑧と⑨は同じ結果になる。もちろん分子に$-$をつけて$\dfrac{-(x+7)}{3}$も間違いではない。ただしこの場合、分子は$(x+7)$がひとまとまりなので、必ず(かっこ)をつけて書く。そこからさらに分子に分配法則を当てはめ、$\dfrac{-x-7}{3}$としても可。

補足
$-\dfrac{x+7}{3}$ だけを見た場合、
$(x+7$) $\div$ $(-3)$ なのか$-(x+7$) $\div$ $3$ なのかは判断がつかない。