一次関数とは
一次関数とは、$y=ax+b$のように$y$を$x$の一次式で表すことができる関係
をいいます。
と、このように書くと「一次関数? はぁ、意味不明だし」と感じる人も多いと思いますが、一次関数自体は日常生活のあらゆる場面で見られます。
それこそ小学校のときから一次関数は学んでいます。ただその言葉が出てきていないだけで。
ではどのようなものが一次関数といえるのか?
具体例を見ながら考えていきます。
日常生活と関連付けて考えれば、決して一次関数は意味不明なものではないと感じるはずです。
一次関数の具体例
そもそも関数とは
$x$の値を1つ決めるとそれに伴い$y$の値もただ1つに決まる関係
のことをいいます。
関数という言葉になじみがない人は、まずこのことをしっかりおさえてください。
ところで一次関数の式を$x$、$y$とを使って書きましたが、別に$x$、$y$である必要はありません。文字なら何でもOK。
ということで文字を$x$、$y$ではなく、別の表現におきかえて一次関数の具体例を考えます。
【一次関数の具体例 コンビニでチョコを買う】
よしお君はコンビニで黒いパッケージでいかにもビターな感じのする$1$個$100$円のチョコをいくつか買って、$1$枚$3$円するコンビニ袋に入れてもらう。その時の代金はいくらになるか? なおコンビニ袋にはチョコが無限に入るものとし、$1$枚だけもらうとする。
この場合、
代金=$100$×黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを買う個数+$3$円のコンビニ袋
という関係がありますよね?
黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを買う個数を$1$つ決めると、それに伴い代金も$1$つに決まります。
黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを$1$個買うとしたら
$100\times1+3$で代金は$103$円。
黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを$5$個買うとしたら
$100\times5+3$で代金は$503$円。
黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを$10$個買うとしたら
$100\times10+3$で代金は$1003$円。
代金=$100\times$黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを買う個数$+3$円のコンビニ袋
これ、文字を使って表した式だから立派な文字式です。そして一次関数です。
でもこんなに長いのを書かれたら式として見にくいし、スマホで見たら$2,3$行になってしまい読む気になれないです。
何書いてあるか理解しにくい。
それに長すぎて書いてる自分も書くのが面倒です。
なので「黒いパッケージでいかにもビターな感じのするチョコを買う個数」を$x$と書き換えます。
ついでに代金を$y$としておきます。すると、
$y=100x+3$
となり、かなりコンパクトにわかりやすくなりますね。
で、とりあえず一次関数として教科書でよく見る形になっています。
このチョコの例では、$1$個$100$円で、$3$円のコンビニ袋という条件があります。
でもチョコの値段もピンキリですよね。
$1$個$10$円のお手頃価格もあるかもしれないし、$1$粒$1000$円で$12$粒入りの都合$12000$円する大人が勝負に出る時に使うものもあります。
コンビニ袋も$5$円するものもあるし、$8$円とかもあるかもしれません。
大人が勝負する時に$3$円のコンビニ袋にチョコを入れていったら確実に失敗し、次のチャンスは永久に失われます。もっと高級かつおしゃれな袋に入れないと話になりません。
で、何を言いたいのかというと、値段が色々あるということ。
色々あるから文字に置き換えます。
チョコの値段を$a$、袋の値段を$b$とすると代金は
$y=ax+b$
と表現できます。
割引や消費税など考慮せず、単純に代金・個数・袋だけを考えた場合、一次関数の関係とわかります。
$y=ax+b$といきなり出されるとビビってしまいますが、色々当てはまる数値をとりあえず文字で表現してあると思えば、決して難しいことを表しているものでもないと理解できると思います。
ということでここまでを簡単にまとめると、
$x$の値を1つ決めるとそれに伴い$y$の値も1つに決まる関係を関数という
一次関数は$y=ax+b$と表せる関数のこと
関数は$x$と$y$の変化を考えていく
$a$と$b$には決まった数値が入ってくる
となります。
基本問題を使って理解を深めましょう。
一次関数であるものを選ぶ問題
基本例題1
次の式から一次関数であるものを全て選べ。
$(1)$ $y=\dfrac{5}{x}$
$(2)$ $y=3x-7$
$(3)$ $y=4x$
$(4)$ $y=2x^2$
$(5)$ $y=-x+2$
基本例題2
次の関係から一次関数であるものを全て選べ。
$(1)$ 水槽に毎分$5l$ずつ水を入れる時の$x$分後の水の量$yl$
$(2)$ 縦$5$cm、横$x$cmの長方形の周の長さ$y$cm
$(3)$ 半径$x$cmの円の面積$y$cm$^2$
$(4)$ よしお君が$1$粒$1000$円するチョコを$x$個買い$300$円する箱に入れてよしこさんにプレゼントするときの、告白が成功する確率$y$%
考え方
問題文から$y=ax+b$の形の式を作れるものを選びます。
基本例題1 解答
$(2)$ $(3)$ $(5)$
解説
$y=ax+b$の形になっている式を選びます。
$(1)$は反比例です。
$(2)$は$b=-7$です。$b$の値が負の数でも$y=ax+b$の形になっていれば一次関数です。
$(3)$は$+b$が$0$と考えます。よって一次関数です。中1で学んだ比例ですが、比例は一次関数の特別な形だと覚えておきましょう。
$(4)$は2乗があるので一次関数ではありません。なおこの形の関数は中3で学びます。
$(5)$は$a=-1$です。$a$の値が負の数でも$y=ax+b$の形になっていれば一次関数です。
基本例題2 解答
$(1)$ $(2)$
解説
$(1)$ $y=5x$なので比例。よって一次関数です。
$(2)$ $y=2x+10$なので一次関数です。
$(3)$ $y=\pi$$x^2$なので一次関数ではありません。
$(4)$ $x$と$y$には何も関係がありません。だいたい告白の成功確率に$y=1000x+300$の関係が成立するならば、世の中の男性陣は毎日挙ってチョコレートのお店に通います。お財布が大変です。