小数を含むタイプの方程式も、等式の性質を使って小数部分を整数の形にしてしまえば、ラクに進められます。
それではさっそく基本例題を使って解法を見ていきます。
小数タイプの方程式の解き方
基本例題1 方程式$0.3x+2=5$を解け
考え方 両辺を$10$倍します。
解答 $0.3x+2=5$
$10\times (0.3x+2)=5\times10$
←左辺$0.3x+2$がひとまとまりなので(かっこ)をつける
$3x+20=50$
←分配法則で(かっこ)をはずす
$3x=50-20$
$3x=30$
$x=10$
なぜ10倍したかというと、10分の1の位の小数があったからです。
もし100分の1の位の小数があったとしたら100倍、1000分の1の位の小数があったとしたら1000倍としていきます。
小数を含む方程式は、10倍、100倍、1000倍・・・して整数にしてから計算する。
10分の1の位の小数と100分の1の位の小数が混じっていた時は、より小さい方の小数に合わせ両辺を100倍して計算します。
次の例題で確認します。
基本例題2 方程式$0.02x+0.54=-0.3x-0.1$を解け
考え方 10分の1の位の小数と100分の1の位の小数が混じっているので両辺を$100$倍します。
解答 $0.02x+0.54=-0.3x-0.1$
$100\times(0.02x+0.54)= 100\times(-0.3x-0.1)$
$2x+54=-30x-10$
$32x=-64$
$x=-2$
10分の1の位の小数があったら10倍、100分の1の位の小数があったとしたら100倍する。より小さい方の小数に合わせ両辺を倍にする。
小数を含む方程式の解き方で迷ったら、この2つの基本例題をもとに復習してください。
次に1歩踏み込んで、(かっこ)がついた小数の方程式を解いてみます。
でもその前に、しっかり確認しておきたいことがあるのでそこを見ておきます。
(かっこ)がついた時のかけ算について
例えば $3\times2$を$6$倍する時は$3\times2\times6$となって$36$ですよね。
$3$と$2$をかけたものに$6$倍しています。
では$(3+2)$を$6$倍しろといわれたら?
この場合$(3+2)\times6$という式になりますよね。(かっこ)がついたものはひとまとまりの数値としてみなすんでした。そして(かっこ)を先に計算するから$5\times6$で$30$になります。
ではさらに$6\times(3+2)$を$10$倍しろといわれたらどうなります?
$10\times6\times(3+2)$の式ができますね。(かっこ)の中はひとまとまりの数値としてみなすからつまり、この計算自体は3つの数値のかけ算をやることになります。
よって$60\times(3+2)$となって$300$がでます。
ここで強調しておきたいのが、$6\times(3+2)$を$10$倍するからといって(かっこ)の中の数値それぞれを$10$倍してない。(かっこ)の中はいったん放置している、ということ。そこに注意してください。
要注意!! ありがちなミスとして
$10\times6\times(3+2)$ を $60\times(30+20)$ としてしまうのがあります。
これでは $10$を $6$にも$(3+2)$にもかけてしまっていることになり、余計に$10$倍したことになります。
$10\times6\times5$ を $60\times50$ とするのが間違えなのと同じです。
と、ここまでとても大事な部分なので不安がある人はしっかり確認してください。
このことをふまえ、(かっこ)のついた小数タイプの方程式を解いていきます。
(かっこ)のついた小数タイプの方程式
例題 方程式$0.2x-0.3=0.05(x-3)$を解け。
考え方 (かっこ)に注意しながら両辺を$100$倍する。
解答 $0.2x-0.3=0.05(x-3)$
$100\times(0.2x-0.3)=100\times0.05(x-3)$
←要注意!! 両辺を$100$倍
$100(0.2x-0.3)=5(x-3)$
←右辺は$100\times0.05$をいったん計算
$20x-30=5x-15$
←両辺を分配法則
$20x-5x=-15+30$
$15x=15$
$x=1$
右辺の式変形に要注意
(かっこ)の中はいったん放置しておいて、小数を整数にしています。
(かっこ)のついた小数タイプの方程式はここでミスが多発します。
(かっこ)を含む小数の方程式では、いったん(かっこ)を放置して小数を整数にする。