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根号のある割り算

このページでは根号のついた数の割り算を学びます。
もっとも割り算はかけ算に直して計算できるので、かけ算のやり方を使えばそれまでです。
ただ、根号がついた分数の式変形も理解してほしいので、割り算としてページを作り解説します。

平方根の除法の基本

$a\gt 0,b\gt 0$のとき

$\begin{align}&\sqrt{a}\div\sqrt{b}=\dfrac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}=\sqrt{\dfrac{a}{b}}\end{align}$

根号がつくと一瞬はぁ? と感じますが、別にどうということはありません。
根号がついた数の割り算は、根号の中の数値どうしで割り算し、その結果に根号をつけます。
その際、約分できるなら約分し、商の分母に根号がつくときは有理化します。

早速確認しましょう。

超基本例題1
次の計算をせよ。
$\begin{align}(1)&\:\sqrt{18}\div\sqrt6\quad(2)\:\sqrt{84}\div(-\sqrt6)\\(3)&\:\sqrt{20}\div\sqrt5\quad(4)\:\sqrt2\div\sqrt5\end{align}$

解答
$(1)\:\sqrt{18}\div\sqrt6=\sqrt{\dfrac{18}{6}}=\sqrt3$

$\begin{align}(2)\:\sqrt{84}\div(-\sqrt6)=&-\sqrt{\dfrac{84}{6}}\\=&-\sqrt{14}\end{align}$

$(3)\:\sqrt{20}\div\sqrt5=\sqrt4=2$

$\begin{align}(4)\:\sqrt2\div\sqrt5=&\dfrac{\sqrt2}{\sqrt5}\\\\=&\dfrac{\sqrt2\times\sqrt5}{\sqrt5\times\sqrt5}\\\\=&\dfrac{\sqrt{10}}{5}\end{align}$

解説
割り算はかけ算に直して計算することができました。
根号がつく割り算でもそれは同様。よって$(1)$をかけ算に直して計算すると
$\sqrt{18}\div\sqrt6=\sqrt{18}\times\dfrac{1}{\sqrt6}$として計算できます。

割り算のままでもかけ算になおして計算してかまいません。
ただ根号の中の数値により割り算のまま計算した方が計算しやすかったり、逆にかけ算に直した方が計算しやすくなることもあります。
都度数値を見ながらやりやすい方法で計算しましょう。

ところで$\sqrt{18}\div\sqrt6$。
かけ算のページで、根号の中の数値を分解しておくと計算が楽になることを紹介しました。
これは割り算でも同じ。
$\sqrt{18}=\sqrt3\times\sqrt6\quad$なので、
$\sqrt{18}\div\sqrt6\quad$は別解として、

$\sqrt3\times\sqrt6\div\sqrt6=\sqrt3\quad$と考えることもできます。

$\sqrt{18}\quad$程度なら分解するほどでもありませんが、根号の中の数値が大きいときや四則の混じった計算のときは分解して計算した方が楽なことが多いようです。
その都度数値を見てやりやすい方法で計算しましょう。

超基本例題2
$(1)\quad5\sqrt{12}\div10\sqrt6\quad(2)\:-6\sqrt2\div3\sqrt5$

考え方
根号のついたかけ算では、根号のついたものどうし、ついていないものどうしで計算しました。
それはわり算でも同様。

解答
$\begin{align}(1)&\quad5\sqrt{12}\div10\sqrt6=\dfrac{2\sqrt{12}}{10\sqrt{6}}\\\\&=\dfrac{\sqrt{12}}{2\sqrt{6}}=\dfrac{1}{2}\sqrt2\end{align}$

$\begin{align}(2)&\quad-6\sqrt2\div3\sqrt5=-\dfrac{6\sqrt2}{3\sqrt5}=-\dfrac{2\sqrt2}{\sqrt5}\\\\&=-\dfrac{2\sqrt2\times\sqrt5}{\sqrt5\times\sqrt5}\\\\&=-\dfrac{2\sqrt{10}}{5}\end{align}$

補足
分母に根号があるときは有理化するのが鉄則ですが、計算途中では有理化しないで進めた方が良いケースが多々あります。
慣れないうちは時間をかけても良いので、どのように計算すると楽になるか考えるようにしましょう。

根号がついた数の複雑な計算

根号のある数のかけ算と割り算のやり方がわかったところで、少しレベルアップした計算もできるようにしましょう。
計算自体は少し長くなりますが、1つ1つていねいに進めていけば難なく解けます。

基本例題1
$\sqrt{35}\div\sqrt{14}\times\sqrt{18}\quad$を解け。

解答
$\begin{align}&\quad\sqrt{35}\div\sqrt{14}\times\sqrt{18}\\\\&=\dfrac{\sqrt{35}\times\sqrt{18}}{\sqrt{14}}\\\\&=\dfrac{\sqrt7\times\sqrt5\times3\sqrt2}{\sqrt2\times\sqrt7}\\\\&=3\sqrt5\end{align}$

解説
根号の中の数値を分解してから計算すると約分が簡単になります。
また、有理化が必要なときも数値が小さい分大幅に手間が省けます。
さらに計算ミスの危険も減ります。

『根号の計算をするときは数値を分解しないといけないのか?』という質問を受けますが、しないといけないということではありません。
『分解した方が何かと良いことが多い』という理由で分解するわけです。
もちろん問題によっては分解しない方が良いこともあるので、都度数値を見て判断するようにします。

平方根を勉強したばかりの頃は分解するかどうかに気づきにくいですが、練習するうちに自然と気づけるようになってくるものです。

基本例題2
$\sqrt{45}\div\sqrt5\div\sqrt2\quad$を解け。

考え方
$45$と$5$が約分できるので、ここでは$\sqrt{45}$は分解しない方が良さそうです。

解答
$\begin{align}\quad&\sqrt{45}\div\sqrt5\div\sqrt2\\\\=&\:\sqrt{45}\times\dfrac{1}{\sqrt5}\times\dfrac{1}{\sqrt2}\\\\=&\:\dfrac{\sqrt{45}}{\sqrt5\times\sqrt2}\\\\=&\:\dfrac{\sqrt9}{\sqrt2}\\\\=&\:\dfrac{3\times\sqrt2}{\sqrt2\times\sqrt2}\:=\:\dfrac{3\sqrt2}{2}\end{align}$