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ルートの中が小数や分数のときの近似値の求め方

このページの最終目標は、ルートの中が小数や分数のときの近似値を計算で求めることです。
決して難しい内容ではありませんが、問題を解くときに必要なある工夫がとても重要になります。
その工夫をしっかり理解してください。

平方根の近似値を計算で求めるために

本題に入る前に、まずは前提になる考え方の確認です。重要です。

超ウルトラスーパー基本例題
次の値を求めよ。
$\begin{align}(1)\:2\times10\quad(2)\:3\times100\\(3)\:2\div10\quad(4)\:3\div100\end{align}$

解答
$\begin{align}&(1)\:2\times10\;\:=20\\&(2)\:3\times100=300\\&(3)\:2\div10\;\:=0.2\\&(4)\:3\div100=0.03\end{align}$

中学生なら解説するまでもなく瞬時に解答できるはずです。
何でこんな例題を出したかというと、これから扱う例題の根底にある考え方になるから。
$\times10$すると積は$0$を1つければ求まる。
$\times100$すると積は$0$を2つければ求まる。
$\div10$すると商は小数点を1つ左につければ求まる。
$\div100$すると商は小数点を2つ左につければ求まる。

小学校で学んだこれらのことを改めて確認してください。

引き続き次の例題を考えましょう。

超ウルトラ基本例題
次の値を求めよ。
$\begin{align}(1)\:2\times\sqrt{100}\quad(2)\:3\times\sqrt{10000}\\(3)\:2\div\sqrt{100}\quad(4)\:3\div\sqrt{10000}\end{align}$

考え方
根号の中の数値を簡単にできるときは変形して計算をしました。
$\sqrt{100}=10\quad\sqrt{10000}=100$
この関係はよく使うので覚えておきましょう。

すると・・・、
根号があるから見た目こそ違いますが、超ウルトラスーパー基本例題と同じ計算ですね。

解答
$\begin{align}&(1)\:2\times\sqrt{100}=2\times10=20\\&(2)\:3\times\sqrt{10000}=3\times100=300\\&(3)\:2\div\sqrt{100}=2\div10=0.2\\&(4)\:3\div\sqrt{10000}=3\div100=0.03\end{align}$

$\sqrt{\quad}$があるから一瞬複雑そうに感じますが、超ウルトラ基本例題もごく単純な計算です。
$10$や$100$であることを見抜けるかどうかが超基本例題を解けるかどうかの分かれ目。
この考え方はよく使うのでしっかり覚えておきましょう。

続けてもう1つ例題をやっておきます。

超基本例題
$\sqrt2=1.414$とするとき、次の値を求めよ。
$\begin{align}&(1)\:\sqrt2\times\sqrt{100}\\&(2)\:\sqrt{2\times100}\\&(3)\:\sqrt{200}\end{align}$

考え方
超ウルトラスーパー基本例題と超ウルトラ基本例題がヒントになってます。
$(3)$で迷う人は振り返ってじっくり考えてください。

解答
$(1)\:\sqrt2=1.414$より
$\;\:\quad\sqrt2\times\sqrt{100}=1.414\times10=14.14$

$(2)\:\sqrt{2\times100}=\sqrt2\times\sqrt{100}=14.14$

$\begin{align}(3)\;&\:\sqrt{200}\\=&\:\sqrt{2\times100}\\=&\:\sqrt2\times\sqrt{100}=14.14\end{align}$

$(1),(2),(3)$とも見た目こそ違いますが同じ計算になりましたね。
ここで強調したかったのが$(3)$の問題。
$\sqrt{200}$は立派な1つの値ですが、問題文に「$\sqrt2=1.414$とするとき」との条件があります。
よってさらに1歩踏み込んで値を特定する必要があります。
そこで必要になってくるのが式変形。言ってみれば、

$\sqrt2=1.414$を使うために強引に変形

したわけです。
さらに問題は都合よく作ってあり、$\sqrt{100}$つまり$10$ができるようにしました。
$10$があると計算がラクですよね?

ちなみに超基本例題のような問題では、$\sqrt{100}$や$\sqrt{10000}$ができるように作られています。
なぜそのように作られているかというと・・・、超ウルトラスーパー基本例題の通りです。

ということで本題を解くための知識がそろいました。
次の基本例題で練習しましょう。

根号の中が小数や分数のときの近似値

基本例題
$\sqrt3=1.732$として次の値を求めよ。
$\begin{align}(1)&\:\sqrt{30000}\\(2)&\:\sqrt{0.0003}\end{align}$

考え方
ここでは$\sqrt{10000}$ができるように変形します。
根号の中が小数や分数であっても考え方は同じです。

解答
$\begin{align}(1)&\:\sqrt{30000}=\sqrt3\times\sqrt{10000}\\=&\;\:1.732\times100\\=&\:\;173.2\end{align}$

$\begin{align}&(2)\:\sqrt{0.0003}=\:\sqrt{\dfrac{3}{10000}}\\\\&\:\;=\dfrac{\sqrt3}{\sqrt{10000}}=\dfrac{\sqrt3}{100}\\\\&\:\;=1.732\div100\\\\&\:\;=0.01732\end{align}$

解説
このページの目標は、基本例題の$(2)$のような問題を自力で解けるようにすることでした。
何の知識もなく突然基本例題の$(2)$を出題されると、おそらくしばらく考え込むと思います。
ただ基本の積み重ねで解ける問題であることも分かったと思います。
ポイントは$\sqrt{100}$や$\sqrt{10000}$を強引に作ることです。

平方根の近似値を計算で求めるときは
$\sqrt{100}$や$\sqrt{10000}$を強引に作る