4の平方根をいいなさい。
平方根といきなり聞き慣れない言葉が出てきました。
平方根自体を日常生活で見ることはほぼありませんが、その考え方を応用しているものはあちこちにあります。
ここではそもそも平方根とは何かから始め、平方根の書き方の決まりを学び、分母の有理化、$\sqrt{a^2b}$⇔$a\sqrt{b}$の変形を解説します。
平方根とは
平方根とは「2乗するとその数になるもの」をいいます。
冒頭に挙げた問題「4の平方根をいいなさい」は言い方を変えると
2乗すると4になる数をいいなさい
となります。
ということで、4の平方根は$+2$と$-2$です。($+2$の$+$は特につけなくても構いません)
負の数もあることは忘れがちです。気をつけましょう。
このように絶対値が同じで符号が$+$と$-$の2つあるときはまとめて$\pm2$とも書きます。
別々に書いてもまとめて書いてもどちらでも構いません。
それではさっそく平方根の練習しましょう。
超基本例題1
次の数の平方根を求めよ。
$\begin{align}&(1)9&&(2)16&&(3)25\\&(4)36&&(5)49&&(6)64\\&(7)81&&(8)\dfrac{9}{25}&&(9)0.16\end{align}$
考え方
これはもう1つ1つ探していくしかありません。
ただ、よく使う数値ばかりです。繰り返し練習すれば嫌でも暗記できます。
解答
$\begin{align}&(1)\pm3&&(2)\pm4&&(3)\pm5\\&(4)\pm6&&(5)\pm7&&(6)\pm8\\&(7)\pm9&&(8)\pm\dfrac{3}{5}&&(9)\pm0.4\end{align}$
平方根、特に難しいことは無いですね。
(1)でいえば、「2乗すると9になる数」ということで、$+3$と$-3$の2つがあります。
負の数もあることを忘れずに。
2の平方根とは
では次の場合どうなるでしょうか?
2の平方根を求めよ
しばらく考えてください。
2乗して2になる数、見つかりましたか?
おそらく見つからないと思います。
それもそのはず、2の平方根は小数が無限に続く数なので正確な値はわかりません。
このように、小数が無限に続いてしまい正確な平方根の値を求められないときは記号$\sqrt{ }$(読み方はルート)を使って
$\sqrt{2}$ (読み方はルート2)
$-\sqrt{2}$ (読み方はマイナスルート2)のように表します。
あるいはまとめて
$\pm\sqrt{2}$(読み方はプラスマイナスルート2)と表します。
$\sqrt{ }$のことを根号(読み方はこんごう)といいます。

平方根は
根号 $\sqrt{ }$ を使って表す
それでは根号を使った平方根の表し方を練習しましょう。
超基本例題2
次の数の平方根を求めよ。
$\begin{align}&(1)3&&(2)5&&(3)7\\&(4)11&&(5)13&&(6)17\\&(7)19&&(8)0.13\end{align}$
解答
$\begin{align}&(1)\pm\sqrt3&&(2)\pm\sqrt5&&(3)\pm\sqrt7\\&(4)\pm\sqrt{11}&&(5)\pm\sqrt{13}&&(6)\pm\sqrt{17}\\&(7)\pm\sqrt{19}&&(8)\pm\sqrt{0.13}\end{align}$
繰り返しますが、負の値もあることを忘れずに。
根号を使わずに表す
ここで改めて4の平方根を考えます。
冒頭のとおり4の平方根は$\pm2$ですが、根号を使って$\pm\sqrt4$としても間違いではありません。
ただ通常、根号を使わないで表せる場合は根号を使わないようにします。
よって4の平方根といわれたら$\pm2$としておいた方が良いでしょう。
それでは練習しましょう。
基本例題
次の数を根号を使わずに表せ。
$(1)\pm\sqrt9 (2)\sqrt{121} (3)-\sqrt{36}$
考え方
表し方の意味に注意
$(1)$は2乗すると9になる数で、正のものと負のものを表せ、ということです。
$(2)$は2乗すると121になる数で、正のものを表せということです。
$(3)$は2乗すると36になる数で、負のものを表せということです。
解答
$(1)\pm3 (2)11 (3)-6$
ここまで平方根の基本を解説しました。
慣れないうちはややこしく感じると思います。
でも今後の数学で平方根は頻繁に出てきます。同じ問題でいいので繰り返し練習しておきましょう。
根号を含む数のかけ算のやり方
根号を含む数のかけ算は別ページで詳しく扱いますが、ここでごく初歩的なかけ算をおさえておきましょう。
超基本例題3
次の計算をせよ。
$(1) \sqrt2\times\sqrt3$
$(2) \sqrt5\times\sqrt5$
考え方
根号を含む数のかけ算のやり方は、単純に根号の中の数値をそのままかけ、その積に$\sqrt{ }$をつけるだけです。
解答
$(1) \sqrt2\times\sqrt3=\sqrt6$
$(2) \sqrt5\times\sqrt5=\sqrt{25}=5$
解説
$(2)$は少し注意しましょう。先にも書いた通り、根号を使わずに表せるときは根号を使わないようにします。
ところで$(2)$の式を日本語に翻訳すると、
「2乗すると5になる数と2乗すると5になる数のかけ算をやれ」
です。
ということは$\sqrt5$の2乗の計算をするわけだから、計算するまでもなく5がでてきます。
このように根号がついた同じ数の2乗の計算は、反射的に答えられるようにしましょう。
分母に根号がつくときは有理化をする
有理化とは
分数の平方根を考えるときには有理化という操作が必要です。
例えば
「$\dfrac{2}{3}$の平方根を求めよ」との問いに、
$\pm\sqrt{\dfrac{2}{3}}$ や $\pm\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}$
と解答してもまだ足りません。続きがあります。
ちなみに $\pm\sqrt{\dfrac{2}{3}}$ と $\pm\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}$ は見た目は違いますが同じ意味です。
分数の分母には根号がつかない形で答えるようにします。
そこで有理化という作業が必要になります。
有理化は分母にある根号を消してしまう作業です。
消すといっても消しゴムで消すのではなく、ちょっとした計算で消していきます。
分数の表し方で約分できるときには必ず約分するのと同様に、分母に根号があるときは必ず有理化をします。
有理化のしかた
$\sqrt{\dfrac{2}{3}}$で有理化を見ていきましょう。
有理化の手順
①$\sqrt{\dfrac{2}{3}}=\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}$としておく
②分母にある根号のついた数を分母と分子にかける
$\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}=\dfrac{\sqrt2\times\sqrt3}{\sqrt3\times\sqrt3}$
③分母、分子をそれぞれ計算
$\dfrac{\sqrt2\times\sqrt3}{\sqrt3\times\sqrt3}=\dfrac{\sqrt6}{3}$
根号を含む数のかけ算のしかたを知っておく必要はありますが、有理化すること自体は特に難しいものではありませんね。
ただ有理化について次のような疑問を持った人もいるかと思います。
「$\sqrt{\dfrac{2}{3}}$と既に数があるのに、そこにかけ算をしたら元々の数と違うものになってしまうだろ!! おかしいだろ、どういうことだっ、あぁっ!!」と。

確かに元々の数があるのに、そこへ分母と分子にかけ算をしてしまっては、元々の数とは違った数となってしまいそうです。
でもここが数学のスゴイところ。
有理化のために分母と分子に同じ数をかけています。
この「分母と分子に同じ数をかける」という操作は、結果的に「1」をかけていることになります。
1をかけるということは元の数の大きさに変化が生じませんよね。
よって、$\sqrt{\dfrac{2}{3}}$と$\dfrac{\sqrt6}{3}$は見かけは全く違うけど同じ数となるわけです。

なぜ有理化をするのか?
有理化をすることでおおよその数がわかるようになります。
もちろん根号がある時点で正確な数値は求まりませんが、おおよその値がわかるだけでも何かとラクになってきます。
例えば$\dfrac{\sqrt2}{\sqrt3}$
$\sqrt2$も$\sqrt3$もどちらも無限に小数が続く数です。
すると$\sqrt2$を$\sqrt3$で割った数をおおよそでいいから求めようとしても、あまりにも計算が面倒です。小数だけでなくため息や愚痴は無限に出てきますが、気力は途中で終わってしまいます。
でも$\dfrac{\sqrt6}{3}$としておけば、$\sqrt6$のおおよその値を知っていれば$\div3$をするだけでおおよその値がわかります。
($\sqrt6$はだいたい$2.4494897427…$)
無限に続く小数で割って求めるよりも、整数で割る方が考えやすいですよね。
ということで有理化をするわけです。
$\sqrt{a^2b}=a\sqrt{b}$ 根号の中は簡単な数値にするのが基本
$\sqrt{a^2b}$ から $a\sqrt{b}$ への変形
根号を使って表すときは、根号の中はできるだけ小さい数値になるように変形する必要があります。
$\sqrt{a^2b}$の形があったら
$a\sqrt{b}$ のように変形します。
$\sqrt{a^2b}$を$a\sqrt{b}$の形にする方法
- 根号の中の数値を素因数分解する
- 2乗の形のものを1組として根号の外に出し$a\sqrt{b}$の形をつくる
- 根号の外に出す組が複数ある場合はそれらをかけ算する
と、文字で表しても難しいだけなので具体例 $\sqrt{18}$と$\sqrt{180}$ の変形で解説します。
$\sqrt{18}$の変形
$18=2\times3^2$
$\sqrt{18}=\sqrt{2\times3^2}=3\sqrt2$
$\sqrt{180}$の変形
$\begin{align}180=&2\times2\times3\times3\times5\\=&2^2\times3^2\times5\end{align}$
$\begin{align}\sqrt{180}=&\sqrt{2^2\times3^2\times5}\\=&2\times3\times\sqrt{5}\\=&6\sqrt{5}\end{align}$
$a\sqrt{b}$ から $\sqrt{a^2b}$ への変形
平方根の計算を進めていく上では、$\sqrt{a^2b}$の形のままの方が上手くいくこともあります。
この変形も自在にできるようにしておきましょう。
$a\sqrt{b}$を$\sqrt{a^2b}$の形にする方法
- 根号の外の数値を2乗して根号の中に入れる
- 根号の中の数値を全てかける
$3\sqrt5$の変形
$\begin{align}&3\sqrt5\\=&\sqrt{3^2\times5}=\sqrt{9\times5}\\=&\sqrt{45}\end{align}$