物事を数値で考えるということは、つまり物事の大小を考えていることになります。
数値で考えるからこそ、より具体的に詳しく大小を考えることができます。
そして数の範囲を整数だけでなく小数や分数、さらには平方根まで扱って考えると、より精密に比較できるようになります。
このページでは平方根の大小について扱い、別ページで紹介する平方根の計算問題や初歩的な応用問題を解くための知識を広めていきます。
平方根の語呂合わせ
1桁の数値の平方根はおおよその値で良いので覚えておきましょう。
語呂合わせが有名なので紹介しておきます。語呂合わせなので深い意味は考えないコト。
(一夜一夜に人見ごろ・・・)
夜ごと人間観察するのに最高の季節だぜ!! ってところでしょうか。
コンプライアンス的にヤバそうな語呂合わせでインパクト絶大です。

(人並みに奢れや・・・)
見栄は張りたい。でもお金は払いたくない。
そんな時他人から「人並みに奢れや」など言われたら若干イラっと来ます。

(富士山麓オウム鳴く・・・)
オウムは人の言葉をマネします。
おそらく「富士山麓」とオウムが鳴いているのでしょう。

(煮よよくよく・・・)
料理と関連させて覚えることが多いようです。

(何? 虫いない・・・!?)
夏の夜の台所。
ガサガサ音がすると間違いなくいます。

(ニヤニヤ呼ぶな・・・)
気になる異性に連絡するときは何かと妄想が働くものです。
ニヤつきます、どうしても。

それでは平方根の大小について練習しましょう。
基本例題1
次の各組の値を不等号を使って表せ。
考え方
単純に根号の中の数値に注目し大小比較します。
負の値のものは注意しましょう。
解答
根号の中が負の値とは?
平方根とは、2乗するとその数になるもののことでした。つまり
「2乗すると5になる数で正のもの」という意味、
「2乗すると5になる数で負のもの」という意味です。
さあ、ここでちょっと考えてください。
とあったらどういうことか解りますか?
これを日本語に翻訳すると
「2乗すると
となります。
ちょっと何言ってるかわからないですよね?
今まで学んできた数は2乗すると正の数になるか、もしくは0になるものばかりでした。
つまり
根号の中が負の値になっていること自体が間違いなのです。
そのため根号の中が負の値になるものがあった場合、どこかで必ず間違いがあると考えてください。
ちなみに根号の中が負の値になる数はあるにはありますが、中学では学びません。よってこのサイトでもそのような数は扱いません。
ということで

となります。
中学の学習範囲では
平方根の大小比較
基本例題1で大小比較の問題をやりましたが、ここではもう少し踏み込んだ問題を使って練習します。
基本例題2
次の各組の値を不等号を使って表せ。
考え方
根号がついた値とついていない値を同時に比較することはできません。
なお
解答
補足
根号がつかない形に変形して比較するか、あるいは根号がつく形に変形して比較するかは、問題の数値を見てその都度考えます。
根号の中の数値がある数の2乗の場合は、根号のつかない形で比較すると良いでしょう。
基本例題3
考え方
根号がついた値とついていない値を同時に比較することはできないので、
自然数とは正の整数のこと。
解答
これよりあてはまる自然数は
補足
そのため、
基本例題4
考え方
根号がついた値とついていない値を同時に比較することはできないので、
解答
よって
補足
とは言っても、
なお、
その時点で

根号の中の文字の値を求める
このページのしめくくりとして平方根の初歩的な応用問題で、自然数をつくる
ただいきなり本題にはいると難しいので、先に前提となる基本事項を確認しておきます。
どんな自然数をかければ良いか?
自然数とは正の整数のことですよね。ということで
「3に何でもいいから自然数をかけて自然数の2乗、つまり
他にも
他にも探せば無限に出てきますが、上記を使って基本事項を確認します。
まず
次に
ここでどうして
そして
ある数の2乗と別のある数の2乗の積は、何らかの数の2乗となります。
そして
この基本事項だけを見ると、こんなことして何の意味があるのか!?と思うかもしれません。
ただ、「2乗の数を強引に作り出す」という考え方は今後の数学でも出てきます。
今は問題を解くためのテクニックを身につけていると思ってください。

ある自然数の2乗の数をつくるときは
2乗
ということで、ここまでを踏まえ次の基本例題を解いてみましょう。
基本例題5
次の値が自然数となるように自然数
考え方
根号の中の値が自然数の2乗の形になれば根号をはずせます。
解答
これより
よって
これより
よって
解説
ここでは基本を確実に理解してもらうためにまわりくどく途中式をかきました。
ただこの問題、要は
根号中の数値を素因数分解し、それぞれの値が2乗の形になるように
すれば解答終了です。
よって
と解答すれば十分です。
途中式も詳しく書けとの条件があったら、例題解答のようにしておきましょう。